群馬には、この土地を守護すると言われる「上毛三山」というのがある。赤城山、榛名山、妙義山である。
その一つである、妙義山の麓に鎮座する妙義神社の本殿には、素敵すぎる金龍が居るのである。
まだ夜が明けないうちに起きてしまい、目が覚める直前、朧げにこの金龍に「会いに来いよ!」と言われた様な感覚があったのだ。
そういう時は、時間があれば、なるべく即行動することにしている。
早朝の空は、いつでも気分が良いもんである。
着いてみれば、紅葉が本当に見頃で、目の保養にもってこいだった。この楓の葉が黄色系から紅色へ移り変わっていく色の狭間は、実に見事である。
「紅葉に映える妙義山〜!」と上毛カルタにもあるように、この辺りの紅葉は、妙義山の特殊な岩山の形状と相まって、本当に素敵なんだと思う。
山門には、力強い仁王像が睨みを効かせている。妙義神社の空気は、とにかく凛としていて、もの凄く厳格な神様なのではないかと思う。と言っても、神様の声が聞こえたり、見えないものが見えたりするわけではないのだが・・・。
きっと、この感覚というのは、古来日本人が持っている感覚ではないかと思う。昔、剣野の達人は、友人が訪ねてくるのが分かったとか。。。
第六感、虫の知らせしかりである。
便利に思わされている、今の情報過多の世界で、一番退化している感覚であり、実は一番大切な感覚なのではないかと思うのである。
この感じ、山の神社特有の厳しさや雰囲気が、個人的にはもの凄く心地良い。
本殿の手前の門の天井にも見事な龍が描かれている。神社には龍がモチーフになっている場合が多いが、ここ妙義神社は、確実に龍が御神体を守護しているんだろうなあ、と思ってしまう。
静かな、この空間は、とにかく非日常な世界。心を落ち着けて、ただこの場所に佇むだけで、とても心地良い。
本当に龍のと彫刻が立派で、彫刻と思えないほどに生き生きしているなあ!!!と、しばし金龍との時間を楽しむのである。
阿吽になっているのだろうか、こちらの金龍は渋い表情で、マスター的な感じ。
俺はこの金龍の、勢いがあり少し愛嬌のある雰囲気がとても好きなのである。
斯くありたいもんだとも思っているのだ。