Dragontone /石坂亥士

神楽太鼓奏者・石坂亥士のブログ

賀茂神社・春季例大祭2019

今年も、無事に地元の賀茂神社の春季例大祭を終えることができた。賀茂神社の関係者の方々、および氏子のみなさん、そして神楽師のみんなに心より感謝であります。

 

個人的には、14日の宵祭りで、初めて担当する足名稚命(アシナツチノミコト)役を、無事に務めることができたのが、良かったなあ、と胸をなで下ろす心持ちなのである。

この役は、長い台詞があり、これがまた、臨場感たっぷりに動作も交えて唱え上げるので、なかなかどうして、気軽に「やりますよ!」といったはいいが、一番苦労したのだった・・・。

「これこれ櫛稲田姫、汝、八岐大蛇人身御供也。。。天下り素戔嗚尊大神により・・・」

いつもこの役をやっている会長曰く、自分の台詞に酔いしれるくらいになるといいんだよー!とのこと。

まだ、酔いしれるまではいかないが、それなりには出来たかな!?という感じで、勝手にめでたしめでたし!である。

宵祭りでは、そんなこともあり、少々御神酒をいただき過ぎてしまったほどで。。。

f:id:dragontone:20190404195410j:plain

翌日の15日は、本祭り。清々しい朝の境内。と思いきや、選挙カーが参道の真ん中に乗り入れられているではないか!!!

桐生の市長選に立候補した、あらきさんという方の必勝祈願なんだとか。。。

神様の通り道に選挙カーを乗り入れるというのはいかがなもんかな????と思いつつ、ないにやら意気込みを語っているのを聞いてみれば、この古からある伝統と格式ある賀茂神社で御祈願をしていただけるのは、本当にありがたいということと、とにかくこういった伝統を大切にしていきたいんだとか・・・???

ここの神楽は、一応、桐生市指定の無形文化財になっているのだが、俺が入った当時は年間の文化財に対する予算が2万円だった。やけに少ないなあ、と思い、馬鹿にしてるよなー!という話をしていたところ、1万5千円になって、桐生市の文化レベルの低さに度肝を抜かれたのだったが、昨日会長に聞いたら、もっと減って1万3千500円とのこと。。。。月にしたら千円ちょっとなのだから、どうしちゃったんだろう????である。

このおじさんの言っていることは本当なのだろうか???と思ってしまう。

f:id:dragontone:20190416145816j:image

このおじさんが参道を出るまで神楽の囃子で送って欲しいと神主さんから頼まれて、早く集まって神楽師がお囃子をしていたが、俺の方は、そんなことにはつき合っていられない仕事があり、鎮守の杜で、岩戸開きの舞で手力男命が笹舞で使う笹を集めていたのだった。

f:id:dragontone:20190416145751j:image

見張り番的な、鹿島と香取の社に挨拶をしてから、鎮守の杜へと入って行く。ここはいつもと変わらず少し入っただけでも、違う空間が広がっている。保育園の頃は、この杜でよく遊んだ記憶がある。
f:id:dragontone:20190416145822j:image

神楽師も高齢化で、メンバーがギリギリとなり、甥っ子の草吉が大活躍だった。

道開けの舞(猿田彦命)では、鉾回しという役が登場する。これを草吉が担当。小柄だが、凛とした佇まいがこの役と絶妙にマッチしていた。

俺の個人的な見解では、猿田彦命を実は、この鉾回しがコントロールしているのではないかと思っている。俺自身も、この猿田彦命役をやっていたので、実体験を伴う感覚なのである。
f:id:dragontone:20190416145757j:image

鉾回しは、猿田彦命の対角線上に必ず現れて、道先案内をするのだ。天孫降臨の時に、土地の神とされる猿田彦命が神々を迎えて、その鋭い眼光で睨むと、その先に居る邪悪な存在を消し去ったというが、その猿田彦命をもコントロールしていたのが、この鉾回しだったのでは!?と勝手な妄想をいだいて楽しんでいるところなのである。
f:id:dragontone:20190416145811j:image

そして、午後は岩戸開きの舞!!!
f:id:dragontone:20190416145801j:image

本祭りで、初めて上演された、「狐釣り」は、とにかく、みんなでなんとかやり切ろう!という強い意思のもと、とても良い演目となった氣がしている。

それぞれが、はまり役という感じで、狐は草吉。なかなかの機敏な動きで、見る人達を楽しませておりました。

とこひょは、俺と孝くん。化かされる役で、やられたい放題で、今日も少々その疲れが残っている感じもあり・・・。
f:id:dragontone:20190416145806j:image

賀茂神社・春季例大祭、無事に終えることができました。春の大仕事を終えて、これからいろいろな流れが加速していく予感であります。