Dragontone /石坂亥士

神楽太鼓奏者・石坂亥士のブログ

夏越ノ大祓2021 源流へ回帰した日

北関東では、多くの祭りや芸能が行われない状況だ。だからと言って、その状況を批判するつもりはない。自分でできる祭りや芸能というものを追求するべき時代に突入した感じがしている。

今年の「夏越ノ大祓2021 〜源流へ回帰する日〜」では、より一層芸能というものにフォーカスしての開催だった。

このご時世で、二人の舞手を遠方から呼んで、無理無理開催したのはこの時代に生き表現者としての決意表明でもあるのだ。

そんな舞台の幕開けは、韓国の太鼓「プク」の音からだった。仕込みの日の朝、閃いた琵琶の木のバチ。細いのと太いのを二組作ったが、結果は太い方の爆発的な打音を選んだ。この立奏での「プク」の打法は、韓国の知る人ぞ知る達人、金在徹先生から学んだもので、打ち下ろした音が一氣に天空へと物凄い速度で上昇していく。その音は、雷雲を呼んで来るかの如くだ。ラッキーなことに、このプクは、金在徹先生自ら選んでくれたもので、その音は最高なのだ!!!

そして、この太鼓は雲が湧いてくる音を現すとも言われているのだ。f:id:dragontone:20210628134138j:image

始まる前の時間、少しだけ会場となる酒蔵の隣に聳え立つ楠の大木へ、グンタの音を響かせる。そん流れから会場へ入っていくことになった。

以下より、石原ミチさんの写真で当日の様子を紹介したい。

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プクの打音のイメージを感じてもらえる様に、3枚の写真を重ねさせてもらってます。

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大銅鑼と、三輪福さんの祓いの舞。完全に背中を向けていたので、三輪福さんが何をしているか写真で知ったので、新鮮でもある。

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雪さんは、神馬を持参しての舞から始まった。これは、津軽の濃厚な芸能の空氣を一緒に連れてきていたという印象だ。芸能というよりは、それよりももっと太古へと遡る、根源的な祈りの空氣とでも言ったらいいだろうか。。。

現在生きている舞踏家で、この空氣を纏える方が、他に居るのか不明だ。
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酒蔵の空間は、照明さんの効果も相まって、全体が時空を旅する乗り物の様にも感じられた。
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ラストシーンは、太陽と月をモチーフにした舞となった。雪さんと三輪福さんが少し決めを作っての舞の宇宙空間が出現した。

神楽太鼓の鳴りが、次第に良くなり、関係者一同、すごく鳴ってたよね!!!と口々に言っていたほどだ。

今回のテーマでもある、「〜源流へ回帰する日〜」。まさに源流へ回帰できたと思える日となったのでありました。

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まず、お客さんとみんなで記念写真は撮らないのですが、先に帰られた皆さんには、申し訳なかったですが、残っていたみなさんも一緒に入って集合写真を!!!!

この時期にも関わらず、ご来場いただいた多くのみなさん、同時配信でご一緒いただいたみんさん、スタッフ一同、心より感謝いたします。どうもありがとうございました。

当日のダイジェスト映像が仕上がってきたら、またお知らせしたいと思います!!!

また、来年の「夏越ノ大祓2022」でお会いできたら幸いです。

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「夏越ノ大祓2021」メンバー集結!!!

本日から仕込みが始まった。楠の巨木は、剪定されて以前の荘厳な感じは減ったが、未だその存在感は物凄い。

祠の中には、たくさんのお稲荷さんが鎮座していた。

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なんとも雰囲氣のあるお稲荷さんに目を奪われる。
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夏越ノ大祓の場所開きの意味で、この韓国の太鼓「プク」の打音から始めるイメージが舞い降りて来た。そしてバチは朝起きて、閃きに任せて、春に切ってあった琵琶の木の枝を削って作ったのだ。琵琶の木刀は骨も腐らすと言われるほど、その打撃のエネルギーが凄まじいものらしい。

夏越ノ大祓の始まりは、そんな琵琶のバチの打音から始まっていく。今日、試してみたが、なかなかの爆音だった。
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仕込み前のひと時の、みんなの様子がなかなか興味深い。
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明日の「夏越ノ大祓2021」芸能の本流へ回帰するものになる予感しかしない。

ここまで、源流に回帰できる舞台は、今後考えられないかもしれないほどなので、その瞬間を、是非見届けに来ていただきたい!!!!

予約は順調に埋まっており、残席わずかですが、まだ数人は大丈夫そうです。

これは、と思った方、ピンときた方、明日会場、または配信でお会いしましょう!!!

公演詳細、配信の申し込みは、以下リンクにてご確認を。

dragontone.hatenablog.com

 


 

「神楽 咲ク 夏至 2021」の音源をアップしました!

本当は、ライブアルバムとしてデジタルデーターで販売しようと思っていたのですが、レコーダーの設定を少しミスってしまい、大銅鑼の音圧に負けてしまった部分ができてしまい、高音質で録りきることができなくなってしまったという経緯から。。。

iphoneでの同時配信した映像から音を取り出して、そこにレコーダーで大銅鑼の音割れした部分だけ使わないで、ミックスしてみたところ、なかなかの臨場感の音源になり、bandcampにアップしておきました。

今回の夏至の音源は、フリーダウロードできる様に0円設定にしてますので、ご自由に試してみてください!!!

システムの都合上、金額を自分で入れることになる様なので、0円と入れれば無料でダウンロードできます。勿論カンパも大歓迎です!!!

ちなみに、夏至点の12時31分は、音源の22:40あたりです。

gaishiishizaka.bandcamp.com

神楽 咲ク 夏至 を終えて

2021年の夏至を無事に終えることができた。あまり計算して動くことができないが、自分の感は冴えてきているのを感じる今日この頃。

夏至の日のライブは、前橋のオアシス的スペース、サンデールームさんの2階サロンで開催された。

打ち合わせの時に、せっかっく夏至にライブをするなら、今年は夏至点が12時31分なので、そこの時間帯をまたごう!ということになったのは、無思考でただ単に面白そうだなぁ、という意外の何ものでもなかった。

その判断は、後に必然だったということなんだなあ、と感じる。

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神楽という言葉は、現在のイメージでは、伝統芸能だと思うが、自分自身も地元の神楽師の世界に入ってみて思うのは、奇跡的に古くからの大切な感覚や所作、舞振、本人の心構えなどが多少なりともその神楽という仕組みの中に残っているのだ。

しかし、今現在、伝統的な神楽は瀕死の状態だ。

自分でできる神楽というものの本質をその場を共有してくれるみなさんと模索して行きたいと思って、今回の夏至のライブは「神楽 咲ク 夏至」とした経緯もある。

今回は、なんと娘がライブに来たら隣に座って見るということで、夏至の太陽役として参加してもらうことにしたのだ。

正直、どちらに転ぶかは誰にもわからないが、どうなるにしろ刺激的な状況なのだ。

岡本太郎さんの本で読んだ、人生で岐路に立った時には、困難な道を選ぶ!という一文があり、影響を受けつつ、なるべくそうありたいと思っている。

「神楽 咲ク 夏至」、結果的には、夏至の太陽役が本当に面白い方向に導いてくれた様に感じる。本番の中に身を置くということが、本当に大切だと思うのである。

そして、サンデールームという風通しの良い場所と関係者のみなさん、集まってくれたみなさんの調和によって、音は、更に氣持ちよく響いていた。

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今回、実際にご一緒したみなさん、同時配信でご一緒したみなさん、どうもありがとうございました!!!
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最終的には、サンデールームの星野さんの料理と、こんちゃんの手打ちうどんが、神楽の華を咲かせてくれました。
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夏至の月も祝福してくれている様な夜でした。

次回は、秋分に、同じくサンデールームさんで神楽な会を企画できたらなあと思っております。

LIVE streaming from Japan | The Great Purification for Summer

youtu.be

Date&Time : Saturday, June 26th, 2021 / Starts from 19:00 Japan standard time <Tokyo>
*Check your time at : World clock
Tickets : On-line tickets 2000 Japanese Yen
*Check your amount at: Currency charts

Artists :

Votive Dance / Yuki Yuko
Butoh Dance and Japanese Crystal bowl / Miwafuku
Kagura Drum and more / Gaishi Ishizaka

Message from Gaishi Ishizaka :
It seems that there is a spirit which continues to flow in the source of performing arts, just like the wind blowing through the wheat field infinitely so that it can be seen. All the life that exists there revives a new life through dancers and musicians, and takes on a new luster. The original way of performing arts should be to evoke our soul and share with the audience the life which stands in there, moment by moment. By returning to the origin of performing arts, this “Great Purification for Summer” will be an opportunity to re-examine our original soul.

Inquiry:ishizakagaishi@gmail.com

More about Gaishi Ishizaka :
Facebook page:https://www.facebook.com/IshizakaGaishi/
Instagram : https://www.instagram.com/ishizakagaishi_official

nagoshi-no-oharae-2021-eng.peatix.com

夏至を境に加速していく

昨日の「神楽 咲ク 夏至」を経過して、いよいよ「夏越ノ大祓2021」がやってくる。本来は、夏越の大祓は夏至の行われていたということを、今回の夏至のライブにまつわる一連の流れから知ることができた。

ということは、本来の夏越の大祓を行うべき日に、音を響かせたことは、とても重要なことだったと思えるのだ。

そして、いざ「夏越ノ大祓」へ!!!

配信チケットの申し込みや、イベント詳細は、以下リンクのブログにて!!!

dragontone.hatenablog.com

Shingetsu Ka-gu-ra 2021 / Beyond Coronaの時空

バリ島では、多くの祭りが満月の時に行なわれている。個人的に、日本で一番素晴らしいと思っている「お山参詣」は、津軽最大の秋祭りであり、旧暦の八月一日・新月(朔)に、「五穀豊穣」「家内安全」を祈願して、霊峰岩木山に集団登拝する行事だ。向山、宵山、朔山と続き、新月の朔山で完結するのだ。

このお山参詣に出逢ったのは、確か二十歳そこそこの頃だった。白州ダンスフェスティバルというイベントに、岩木町の登山囃子保存会の方々が来ていて、その後、当時の会長さんと連絡を取り合って、津軽に現在も通い続けているのだ。登山囃子の太鼓を習いつつ、お山参詣の持っている芸能の濃密さを吸収しているのだ。やはり、津軽は母の郷里でもあるので、とにかくしっくりくるのだ。

そして、バリ島の芸能の感覚と津軽のお山参詣の感覚が似ていると感じるのだ。それぞれ聖なる山として、アグン山岩木山が存在しているのも、とても興味深いことだと思っている。

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自分の中の芸能や祭禮でもある、「新月神楽」というライブのスタイルがある。今回の新月神楽は、Beyond Coronaの時空とした。昨年の7月25日にセッションした近藤等則さんとのセッションの音源「Beyond Corona」が完成して、このライブ当日の新月より発売することに決まったのだ。

数年に一度、有るか無いかという位に多めの楽器をセットして鳴らしまくってみる機会にするのである。近藤さんから譲り受けたゴング類も追加されたので、インドネシアのゴングの割合が多くなるのは確実ではあるだろうが、音色の違う楽器のグルーブを一回のライブで体験できるという、なかなか貴重な機会となることでしょう!!!

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◎Shingetsu Ka-gu-ra 2021 / Beyond Coronaの時空

Gaishi Ishizaka Percussion Solo

2021年7月10日(新月・土)open 18:30 start 19:00

桐生市有鄰館酒蔵/群馬県桐生市本町2-6-32

チケット 4,000円(中学生以下無料・乳幼児可)

問合せ・予約 / ishizakagaishi@gmail.com

 ※ライブ配信チケットは、以下リンクより購入できます。

Shingetsu Ka-gu-ra 2021 / Beyond Coronaの時空 | Peatix