大宮の氷川の杜文化会館には、檜舞台があり、絵的にも非常に趣のある空間だ。
ウタマヒノツカサを主宰する宇佐見仁が大切にしている世界観が、この檜舞台では非常に効果的に表現できるのだ。
日本文化の美を抽出しているであろう、ウタマヒノツカサの公演。
今回は、舞台前方に、なにやら青い布が敷かれ、その上には貝やヒトデなどが置かれ、海の雰囲気を現しているらしい。
「祓風 祈風 -Haraikaze Inorikaze-」と題されているので、大銅鑼を持参してみた。
セッティングが終わり、一発その大銅鑼を鳴らして衝撃が走る!!!
音が異様に素晴らしいのだ。。。。
この舞台では、何度かやっているのだが、これほど音が良いのは初めてだ。
そして、「今日は、何かあるな・・・」と直感。
写真的にも、やけに雰囲気ある写りとなっていて、この大銅鑼のコンディションがいいのが伝わってくる。
今回は、神楽太鼓をはじめ、大銅鑼から、先日手に入れた、タヒチのスリットドラムの「トエレ」も加えて、環太平洋打楽器鳴り物セットでの即興セッションだ。
勿論、本番の音も素晴らしく響いて、音像がどんどん加速していく。中村香奈子の笛の音圧と旋律、速度感が素晴らしく、密度の濃い笛の音が、大銅鑼や神楽太鼓の音の海に、波紋を作ったり、鋭い風となって音風景を彩っていく。
そこに、宇佐見仁の舞が、視覚的に空間を創っていく。笛に太鼓に舞の三種の神器の様な要素なので、三人になるとより立体的な世界が出現していくようだ。
前回の公演の時は、シンプルな衣装だったので、ウタマヒノツカサの二人の衣装のボリュームと合っていなかった反省を生かし、今回は、うさと座の衣装を使わせてもらった。この衣装は、さとううさぶろうさんが、「うさと座」のためにデザインしたもので、とにかく着心地と動きやすいのがとても嬉しい。
神楽太鼓奏者と言ってはいるが、神楽太鼓に関しては師匠もいないフリースタイルで、伝統的な後ろ盾は一切無いのだ。そんな無所属スタイルに絶妙にマッチしている、うさと座の衣装。
今回の舞台は、いろいろとバランスのとれた素敵な舞台となりました。
ご来場いただいた多くのみなさんをはじめ、スタッフのみなさん、この機会を作ってくれた、ウタマヒノツカサの二人に心より感謝いたします。
良き祓いと、良き祈りが、氷川の杜の檜舞台に広がっていきました。