Dragontone /石坂亥士

神楽太鼓奏者・石坂亥士のブログ

神楽殿という場所で奏でる意味・・・

今年の桐生西宮神社でのゑびす講は、それほど寒さも厳しくなく、気持ち良く奉納演奏することができた。

桐生西宮神社が、古の趣のある美和神社の境内社なので、美和神社の神楽殿で演奏できる事に、個人的に非常に意味があることだと思っているのである。

参拝者の方々は、あまりこのことを知らないのだろうか、美和神社にお参りする方は少ない。

しかし、俺は、この美和神社の雰囲気がとても好きなのである。

f:id:dragontone:20181121135500j:image

西宮神社は、華やいだ装いとなっており、双方の陰陽的な関係が面白い。
f:id:dragontone:20181121135449j:image

実は、西宮神社のすぐ横にひっそりと佇む金刀比羅神社が、なかなかのスポットと思っているのだ。ここ最近は、毎年この金毘羅様で種銭を購入して財布に入れて持ち歩いて、しばらくしたら使うのである。

勝手な思い込みもあるのだろうが、それからそれほど増えもしないが、減りもしないという絶妙に、入って来た分出て行くサイクルとなっていて、なかなか良い感じなのである。

何と言っても、この雰囲気ある狛犬くんが渋くて素敵なのである。
f:id:dragontone:20181121135455j:image

この美和神社の神楽殿で奉納演奏をすると、いつも思うことがある。今年は特にその感覚が強かった。

通常ではこの神楽殿で演奏することはできないわけだが、ここで音を奏でるということは、非常に特殊なことになっていると思うのである。

適度な高さがあり、回りで見ている方々をまるきっり意識する必要が無い造りなのだ。

f:id:dragontone:20181121135557j:image

使う神楽太鼓は、2尺4寸の白馬の皮が張られたもので、これは、響きが凄まじすぎて、最近はこのえびす太鼓の時しか使っていないものなのである。屋外でも相当な威力を発揮して、その倍音や音色は完全に自分自身は音に包まれて音のシャボン玉に乗っている様な状態になってくるのだ。

奉納演奏は、4回あった。最初の演奏は、神楽太鼓自体も、目覚めるかの様なまったりした低音が鳴り始め、というかこの神楽殿に響き渡り、次第に音が練れていく。

ある一定の音波なのか周波数なのか、ある一線に達すると神楽殿に向かって風が吹いて来るのだ。ということは、自分に向かって正面から心地良い風が吹いてくるわけだ。

そして。その風なのか、神楽太鼓の音圧なのかは不明だが、かぶっている烏帽子が上の方に持ち上げられる感覚がずっと続くのだ。

これは不思議な体験だった。

勝手に想像するに、この烏帽子が、見えないエネルギーの海の中を進んで行く鮫の背びれの様な役割をしている様にも思えてしまった。
f:id:dragontone:20181121135602j:image

ラストとなる4回目には、デルガードさんからいただいたアルゼンチンの土笛から始めてみた!

やけに雰囲気ある音色で、アルゼンチンの土笛の音色が日本の神楽殿に響きわたるという、なかなかに素敵な瞬間でありました!!!

これからいろいろな場面で使っていきたくなる、なんとなく、龍がモチーフにされた感じの素敵な土笛。

f:id:dragontone:20181121135644j:image

ここから以下3枚の写真は、石原ミチさんが撮影してくれたもの。

後ろ姿を、良い雰囲気に撮ってくれていて、なにやら物語を感じる様な瞬間の切り取り方が、流石にプロである。
f:id:dragontone:20181121135653j:image
f:id:dragontone:20181121135649j:image
f:id:dragontone:20181121135658j:image

来年の11月20日に、この神楽殿で神楽太鼓の奉納演奏をしていたいもんだなあ、と思うのでありました。