Dragontone /石坂亥士

神楽太鼓奏者・石坂亥士のブログ

散歩して、種取りをして納得する!

たんぽぽの綿毛を見つければ、その種を吹いて飛ばすのが習慣でもあるが、まじまじと観察してみると、神聖幾何学の様にも見えてくる。というか、きっと植物が持つ黄金比的な造形が、神聖幾何学に反映しているということなんだろう。

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植物の持つ絶対的な造形美には、いつも驚かされる。

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道端の草花でさえも、素晴らしいの一言だ。
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咲く前の蕾に至っては、凝縮しているそのエネルギーが、開花することで放たれていくことを、改めて視覚的に見せてくれるわけである。

花を一輪を、室内に飾るだけで、その場が清浄になり開かれるのもうなずける話だ。
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一度、種から蒔いたパクチーが、今年も勝手に生えてきて花を咲かせてくれている。
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まん丸い種もでき始めて、花と種を両方見ることができて嬉しい。

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よく見ると、神楽で使う鈴の様にも見えてくる。

この日は、放ったらかしにしてあった野沢菜の種をまとめることにした。
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少し触れただけでも、「カサカサカサ」と音が鳴る。

これは、まさに鈴そのものだなあと思いつつ、よく見てみると。。。
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乾燥した鞘が割れて、中の種が見え隠れしているではないか!!!

まさに鈴の原理そのもの。。。f:id:dragontone:20220530135428j:image

マラカスやガラガラという、空洞の中に何かを入れて振って鳴らす楽器は、太鼓よりも起源が古いというのを、大師匠ミルフォード・グレイヴスがワークショップの中で話していたのを鮮明に覚えている。

そこから派生して、この種の構造を観察したことで閃いたことがある。

元々マラカスは、マラカという植物の実を乾燥させて、その中にその種を入れたものだったそうだ。メキシコのマラカスの中には、小さい豆が入っていたし、南米で作られたマラカスには、コーヒー豆が入っていたこともある。マラカスやラットルというものは、その中に種を入れて振ることで音だけではなく、見えない部分では生命エネルギーが発動する仕組みになっているのではないかということだ。

生命の源である種を入れて振るという行為は、かなり儀式的でもあると言える。

これは、メキシコの山岳民族であるコーラ族の儀式で使われる亀の甲羅のマラカスだ!!!

奇跡的に手に入れることができた一品で、ここぞという時には使うことにしている。

コーラ族の祭禮では、幻覚作用をもたらすペヨーテというサボテンを食べて、この亀のマラカスを腰に付け、仮面を付けて木の剣を持って、走り回るという。この祭禮の撮影は完全にNGとなっていて、隠れて撮影しようものなら、しばらく拘束されてしまうというから、凄まじいい。

そんなコーラ族もマラカスが重要なものとされている。使用した仮面や剣は売ってくれるが、マラカスは駄目なんだとか。このマラカスは、偶然にもメキシコの民族系アートセレクトショップの東京店があり、その流通に乗って、はるばる日本にやってきたものだ。そこが閉店する時に偶然にも見つけて俺の所に来たのだ。

日本の馬鈴や古い鈴と一緒に、演奏する時肩から掛けているのである。

相当な自己満足な一品なのである。

明日は、「撃鼓響振」と題して、武術のマスターとの公開稽古のような公演が待っている。この亀マラカスは必須アイテムかもしれない。