Dragontone /石坂亥士

神楽太鼓奏者・石坂亥士のブログ

「浜辺のサヌカイト」という宇宙

情報過多によって、まともな判断ができなくなってきている様にも感じる昨今。

海や川や山であったり、はたまた植物であったり、自分にしっくりくるものと波長を合わせていく時代だと思えるのだ。

俺の様に、わりと自然環境や植物を身近に感じて暮らしている人間からしても、5月の「浜辺のサヌカイト」での経験は、度肝を抜かれるものだった。

そんな浜辺のサヌカイトプロジェクトのクラウドファンディングが、残すところ数日で終了となる。数日前に予告動画が公開されたのだ。

youtu.be

浜辺に櫓を組んで、そこにサヌカイトという石を吊るして、置いて叩くというとてもシンプルだ。

デジタルな世界が極まってきて、なんでもできる現代。

海と空、そして月という大自然に委ねるという行為は、物凄いリスクを伴うわけだが、不思議と当日の演奏のひと時は、演奏家や撮影・録音クルー、はたまたスタッフというそれぞれの個人という概念が無くなり、地球という存在とリンクしていくのを感じた。

「さあ、今だ!!!」と言わんばかりに、ほんの数分だけ、月を中心に雲が薄くなった。その後、月は隠れ、更に劇的な登場をしてくるのだ。自然と呼応するというのは、こういうことなのかもしれないと思えた瞬間でもあった。

この一枚は、今回の撮影を担当している長岡さんが、最後にサヌカイトの櫓を撮っているシーンだが、まるで祈っている様にも見えるのが印象的だった。

こういったスタッフ側の素敵な関わりは、表に出てくることは無いが、今回の「浜辺のサヌカイト」に関わったスタッフ陣は、とにかく氣持ち良いメンバーが集結したのは、ある意味奇跡だったとも言える。

長岡さんのメッセージを読んで、彼が今回の撮影をした意味がはっきりしたのも非常に興味深い。

motion-gallery.net

正直なところ、クラウドファンディングというものは、個人的にはあまり好きではないというのが本音だ。

しかし、今回のクラウドファンディングは少し違っている様に感じるのだ。通常のものは、誰かを応援するというものがほとんどだが、「浜辺のサヌカイト」というプロジェクトを応援することで、自分自身をも応援することになる様に思えてならないのだ。

実は、俺自身もスタッフでありながら、クラウドファンディングに参加してして、やけに幸せな感覚を覚えているという不思議さなのである。

金額の大小ではなく、この作品に関わることで味わえる、あの浜辺の感覚を共有して、一つの船に乗るような感じだろうか。

 

ちょっとでも心が動けば、是非この最後のチャンスに、心豊かになるチケットだと思ってご参加いただければ幸いです。

土取利行サヌカイトプロジェクト「浜辺のサヌカイト/いのちの海に捧げるサウンドレクイエム」 音楽映像制作 - クラウドファンディングのMotionGallery