Dragontone /石坂亥士

神楽太鼓奏者・石坂亥士のブログ

「 火 」石坂亥士×香川大介

やはり、全てにおいてタイミングというものはある。

今回の香川大介くんとのセッションは、まさにそれだった!!!

この機会が実現できたことに感謝をしつつ、普段の演奏の時には無い感覚を覚えたので、忘却録として記しておきたい。

現地に行ってみて驚いたのは、とにかく牧歌空間というスペースの素晴らしさだった!!!

そして更に驚かされたのは、個人宅とのことで、香川くんと親交の深い沼尾さんという方のお家なのだというではないか!!!

そして、今回が初めて公に開放しての展覧会とのことだった。

香川くんのこれまでの作品がかなりの点数飾られており、圧巻の一言。彼の作品ひとつでも充分にその独自の世界観に浸ることができるが、これだけ多くの作品が同時に存在している場所は、ある種居心地の良い異次元空間でもあった。

とにかく、大好きなアーティストなので、これらの作品を実際に見ることができただけでも、かなりの満足度だった。

熱海へ出発したに日に、たまたま香川大介展の記事が目に飛び込んできた。毎日一枚の絵を描くことになっているようで、よく見るとライブも設定されていて、ライブの音で彼が絵を描くというのも、とても興味深かったのだ。会期が始まっているので、通常ではあり得ない事だと思うが、どうしても俺も彼とその場を共にしてみたくなってしまったのだ!!!

自分の空いている日が12日だったので、とにかく連絡をとってみたところ、ちょうど、その週は何もなかったので、どうしようか!?と牧歌空間のオーナーさんと話をしていたところだったらしく、渡りに船ということで、急遽実現したのだった。

ちょうど奥能登での火熾し神事での奉納の流れからの、12日のテーマも「火」というなんとも見えない流れを感じずにはいられないことになったのだった。

お互いが、「火」をテーマにその場に立つ。

プクッの演奏が終わった後は、香川くんが描いている様子はほぼ見ないでの演奏が、とにかく今まで感じたことのない音が生まれる感覚だった。

音が、本当に乗り物と感じられる様な感覚で、緩急を繰り返しつつ「火」をテーマに練り上がっていく。

不思議なのは、香川くんが絵を描いていることで、音ではないが、確実にセッションをしている空氣感がその場に満ちていくのを感じ、自分自身も音の深い部分へ旅をしているかの如きだったのだ。

香川くんも、また普段とは違った不思議な感覚を覚えていたとのことで、これは、やはり二人でのセッションだからこそ生まれる世界なのだろう。

彼の絵の世界観と自分の音の世界観が共有できるぶぶんが存在してることを確信したセッションとなりました。

当日は、仕上がらずに後日加筆されて、ほぼ出来上がった「火」の絵。

自分の音も含め、様々なモノが凝縮しているのが感じ取れ、とにかく魅入ってしまう。

実は、17日の昨日も行ってしまったのだ。完全にプライベートセッションとして、「空」をテーマにやらせてもらったのだ!!!

出来上がった絵「空」。

音は消えゆくが、絵は見える。音が視覚と共にある画面は、視覚的にも深く、深い部分には音が潜んでいる氣配がする。

今後も、香川くんとの世界を探究したいと思うのである。

展覧会は、20日まで開催されているので、この機会に、是非実物を見てみてください!!!