Dragontone /石坂亥士

神楽太鼓奏者・石坂亥士のブログ

えびす太鼓という奉納のカタチ

久々となる、この神楽殿。桐生西宮神社の祭禮となっているゑびす講だが、実は、美和神社という延喜式内社の境内社なのだ。なので、この神楽殿は美和神社の神楽殿という事になるわけなのである。

延喜式内社というのは、それぞれの県に十二社あって、桐生には俺が神楽師をしている賀茂神社とこの美和神社があり、同じ市に二つもあるのである。

ありがたいことに、えびす太鼓の奉納演奏をやらせてもらっていることで、そのふたつの神社の神楽殿に立てているという奇跡なのである。

それも、賀茂神社では伝統芸能の神楽の舞手と囃子方として、そして、この美和神社では自分の即興のスタイルでやらせてもらえるのである。

この神楽殿は、それほど古くない様で、舞台の板がしっかりしていて、よく響くのだ。人の目線よりも少し高くなるので、そこで演奏することで、人の視線は無関係となる仕掛けなのかもしれない。

なので、より音や舞に集中できるのかもしれない。

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えびす太鼓も今年で22年目となり、子どもも福まきに参加することになったので、なかなか良い雰囲氣だった。

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この写真は、ライブの時に音響をしてくれている金子さんが、撮ってくれものだ。

実はこの日、なんとなく細い枝のばちを使ってみたくなり、庭の欅の枝で作ったものを使ったら、金子さんが「ん!?いつもと音が違うぞ!」とこれは撮っておかねばという事で撮ったらしい。

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これが、その現場写真。これは、たまたま来ていた舞台監督の高峯くんが撮ったもの。ライブ関係者での撮り合いが勃発していて、妙なことになっていた。
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福まきは、子どもがまくことで、とても和やかにも感じられ、20年という年月が良い様にそのカタチを整えてくれるもんだなあ、と感心したのだった。伝統芸能というのは、この様にして積み重ねられていくのかもしれないと思えた22年目のえびす太鼓の奉納でありました。
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四回目の最後は、雨が降り出して、かなりしっとりした空氣だったが、神楽太鼓は一番深い部分まで鳴り響いていた印象だったなあ。

来年も、この神楽殿に神楽太鼓の音色を響かせたいもんである。