Dragontone /石坂亥士

神楽太鼓奏者・石坂亥士のブログ

橋の下世界音楽祭、そして神楽の練習へ

9月14日に出演した、橋の下世界音楽祭は、豊田市の豊田大橋の下で、毎年開催されるイベントである。今回で3回目の参加だったが、毎回感じるのは、日本の伝統文化を新たな解釈で表現しつつ、野外フェスの要素も上手く取り入れた、現在進行形の新しい祭りの形を模索しているイベントだと思いつつ、「非戦創祭」と銘打っているのが最も素敵だと思っている。

そして、かなり多くのアーティストが参加しているが、その中に、獅子舞や阿波踊り、韓国の農楽だったり、日本を含めたアジア圏の伝統的な要素が織り込まれているのが特色のようなのだ。

とにかく暑い日だったので、最近では一番水分を摂ったと思うが、それでもトイレに行く回数はそれほどでもなかったほどだ。

何はともあれ、良い汗をかいたことには間違いないだろう!!!

身体ひとつで、ビューッと新幹線で行って帰って来れるのは、本当に快適そのものだった。

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そして、翌日15日は、やりたかった秋野菜の種蒔きの準備だ!!!

今シーズンから、足袋と草刈機の刃と手袋を新調した!!!

無意味に嬉しいので、自分の記録用に列記しておきたい。

そこそこ何種類もの足袋を履いてきたが、この丸五の3枚コハゼのものがベストではないか!?と思っている。

通常のコハゼよりも大きいので、はめやすくて、3枚という少なさが迅速な脱ぎ履きを可能にするのだ!!!

そして、何よりも3,000円を切るコスパが良いのが嬉しい。

草刈機の刃は、初めて使うタイプだったが、形状と切れ味と使い心地がかなり良好で、今後経過を観察していくことにしたい!

手袋は、ワークマンのAQUAというシリーズの少し厚めのゴム手袋が最近のお氣に入りとなっている。

伐採用の鋸は、やっぱりSAMURAIに尽きる!桑などの柔らかめの細い枝は一回引けば切れていくので、かなりの爽快感を味合わせてくれる代物なのである。

ここのところ暑すぎるので、大根用のスペースを開墾しただけとなったが、とても充実した草刈り時間となって、大満足!!!

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その後は、月に2回ある神楽の練習へ!!!

秋祭りが10月12日、13日と開催されることが決まって、残すところこの日を入れて2回だ。

しかし、会長として懸念事項があり、練習の前には、10月から始まるという新しい予防注射の話を神楽師たちに話をしたのだ。

今のこのギリギリで首の皮一枚で繋がっている状況の中で、一人かけても継続できなくなるというのが事実なのだ。俺が知った情報としては、新たに始まる注射はかなりの危険度があり、亡くなる可能性も極めて高いということなので、その旨をみんなに伝えてみたのである。

勿論、個人の自由ではあるが、神楽師の会長となったからには、仲間に危険が及ぶことを知ってしまったわけなので、それを回避する必要もあるわけなのである。

師匠が「もう打つこたぁねぇんじゃねえか!!!」と言うと、一人は、「俺は7回打ってるで!」と。。。

「オメェ、そりゃ打ち過ぎだぞ!!!」と。

「そんなに危ねぇんじゃ、やめといた方がいいど!!!」と話は落ち着いて、一見落着となったのだった。

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その後の練習は、久々に復活する「狐釣り」と言う面白おかしい演目の練習だ。篠田の森に住むと言う悪い狐を捕まえに行く「えさこ」と「えさこ」が、最終的には、狐にバヤ化されてしまうと言うと言う漫才の様な話なのだ。

写真を見てびっくりしたのは、自分の服装だった・・・・。

柄と柄なので、お祭り大好き!!!と言う雰囲氣で楽しそうではあるが、見た目はかなりのインパクトで、まあ、神楽の練習にはばっちりかもしれない。

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最後のシーンは、狐に馬にさせられてしまい、乗っかられていいかげん暴れさせられ、最高潮の雄叫びを上げて、我にかえるのだ。

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実は、この「狐釣り」が俺が最初に見た神楽の演目だったのだ。その時は宵祭りで、誰も居ない真っ暗な境内の中に浮かび上がる神楽殿。そこで繰り広げられる、台詞入りのコミカルな演目。通常の感覚ではありえない、誰も居ない空間へ向けて、大の大人が真剣に台詞を言って物語を展開していく。そして、合間には「馬鹿野郎!!!そおじゃねぇぞ!!!」と師匠の激が飛ぶと言う。

終演後、帰ろうとしたら「ちょっとこっちへ寄らねえかい!?」と神楽師の長老から呼び止められて、その三十数年後には、なんとその神楽の会長となってしまったと言う興味深い自分史が今も進行中と言うことなのである。

最初に師匠から習った「手力男命」は現在もやっているのだが、岩を剥がしてその岩屋から出て来る「天照大神」は、甥っ子の草吉から、今は自分の娘へとバトンタッチされ、草吉は「天細女命」を舞っていると言う、かなり興味深く楽しい流れでもある。

そして、「狐釣り」では、草吉が狐役となって俺たちをバヤ化して、もう一人の「えさこ」役の孝くんの息子の亮太が二人の「えさこ」に騙される「按摩」役と言うのも面白い配役だと言えるだろう。

「神楽」という仕組みの厳しさとおおらかさが、人と人とを良い塩梅に繋いでくれている様に思えてならない。