Shingetsu-Kagura Project vol.04 2024.01.11.
龍(辰)の年は、衝撃的な始まりとなりました。個人的には、昨年の11月に 今回の地震で大きな被害を受けた、奥能登珠洲市の山間に位置する炭焼き工 場での奉納演奏をしてきたばかりであり、そこでの今後を見据えた新たな神 楽を始めていく流れもあったので、かなりの衝撃を受けたのも事実です。し かし、神楽や芸能というものは私達が生活していく上で、絶対に必要不可欠 となる大自然に対する「祈り」に直結しているものです。仏壇や神棚に手を 合わせる行為も然りだと感じます。目に見えない人智を超えた存在に畏敬の 念や尊敬の念を持って、日々生きることで、不思議と人はエネルギーのバラ ンスが整う様にも感じます。 今後の奥能登での新たな神楽が、どのようなカタチになっていくのかは未知 ですが、引き続き関わって行くことを心に決めた年始となりました。
龍の年ということと、自分のサイトの名称を Dragontone「龍の音色」とし ていることもあり、2024年の最初は龍をテーマにした音源をお届けしたいと 思っていました。 当初は、冬至の日に自分だけで録音してみようと思って準備していたのです が、その流れは、翌日へと変化していくことになりました。 偶然にも、冬至の翌日には、日光在住の絵師、香川大介くんとのセッション を予定していました。 香川大介という絵師は、「もののけ」の存在をこの世に絵として出現させる 特異な才能を持った天才です。彼は絵を描き、僕は音を響かせる。「何分位 やろうか!?」と確認する程度で打ち合わせはほぼ無しのジャンルこそ違え ど即興セッションなのです。その共同作業は、一昨年から始まり、定期的に 機会を重ねています。「何が面白いか!?」というと、自分だけでは生まれ ない音がその場に出現してくるのです!!! 香川くんも然りで、独りでは描かれない世界が出現してくるという、お互い にかなり興味深い世界がその場に展開している様なのです。
2023年、冬至明け12月23日の14時からの即興セッションが行われ、「龍」 をテーマとしてお互いにその場に臨みました。その時の演奏を聴き返してみ ると、ある程度のブロックが存在していて、それぞれのブロックの持つ世界 観を感じつつ、同時に進行する「龍」の世界観を更に融合させたものが、今 回の音源です。