Dragontone /石坂亥士

神楽太鼓奏者・石坂亥士のブログ

原始感覚美術祭2025 水のやまづと

ここ数年、夏の風物詩となっている「原始感覚美術祭」に今年も参加してきた。

物事を始めるのにも物凄いエネルギーが必要だが、それを継続していくのには、もっともっとエネルギーが必要になるわけで、この規模のお祭りが継続していることは奇跡だとも思えるのだ!!!

会場に着いて最初に目に飛び込んで来たのは、この車両!!!

現地で作ったのかと思いきや、このまま移動して来たというから驚いた!!!

雰囲氣ありありのマッドブラックの車両に、よく観察したら、足場パイプを上手いこと使って頑丈に船を固定してあるのだ。

効率だけ考えるのではなく、いかに楽しめるか!?ということかも知れず、アートの存在意義を強烈に示してくれた車(作品)との出合いに感謝である。世の中、広いもんである。

初日の宵祭りでは、舞踏家の雪雄子さんとの久々の共演だった。鼓の久田舜一郎さんとは一昨年の原始感覚美術祭での共演以来で、嬉しい再会でもあった。こんないぶし銀なメンバーに、杉原くんが踊りで参戦するという、スリリング極まりない取り合わせだ。

今回、久田さんは木崎湖龍神に対しての謡をするという話から、雪さんは白蛇をテーマに!と言う。そして、俺は赤城の小沼の龍神への奉納演奏をしてきたばかりでもあり、三者三様にそれぞれがある意味龍神をテーマに言う流れとなったのだった。

そんな話を少ししただけで、4人の即興セッションは始まって行ったのだった。。。

実際は、とにかく楽しくスリリングで即興の醍醐味を存分に味わうことができて、とても充実した時間に身を置くことがでてありがたい限り!!!

久田さんの能の世界観に、俺の神楽的音響が切り込んで行く。そこに杉原くんは、一瞬何か来たのか!?と思わせるほどに不可解な何か言葉にもならない音を発しながら場に登場して、密度の濃いエネルギーを満たしていく。

その後に、雪さんが精霊の様に現れ、その場を包み込んで、去って行く。非現実的な空間が氣持ち良く出現していた。

雪さんは、普段は自分が何を踊ったか、あまり覚えていないそうだが、今回は、黄金の泉から湧き出る水を俺の所に飲みに来たと言うからびっくりだった。

下の写真は、その時の様子で、「美味しい湧水をたくさん飲みました!」と。

毎年、本祭りの朝は、この山車を押して木崎湖を一周してから、会場の信濃講堂へ山車が上がって来る。この山車の真ん中には火起こしの儀式で着けた火が鎮座していて、祭の中での依代的存在だ。

この山車が出発する時が、素晴らしかった!!!

無機質なものに命が宿る瞬間を垣間見ることができたのだ。それは、山車に括り付けられた太鼓が素朴な音を発し始めた時、一瞬、芸能の中に流れ続ける源流へアクセスできたかの如き静寂感と時間が止まった様な錯覚があった。

山車が置かれた場所から、空をいつも見上げてしまうのが毎回不思議だ。

清々しい感覚。

今回、個人的に嬉しかったのは、フィリピンの山岳民族のバリンビンという楽器のワークショプに参加することができたことだ!!!

現地から参加している先生に作り方を教えてもらって、音の調整もしてもらい、かなり満足な時間となった。

この竹のビリビリする倍音を鳴らして、悪霊を追い払うんだとか。

そして、なんと台湾のブヌン族の方の歌が聴けたのも嬉しかった!!!

ラストは、原始感覚獅子舞!!!

これは、それぞれ参加するメンバーが自分の獅子頭を作って、それを被って舞うわけだが、今年は、絶妙なバランスで凝縮して、それぞれのメンバーのキャラクターの良さが引き出されて、素晴らしいものになったのではいかと思えた。

凄まじいまでの面積の布を纏った大獅子は、全てにおいて圧巻で、その流れも即興の醍醐味も味わえて、今年結婚したメンバーを祝うという、ハプニングがまた良かった!!!

俺は、その獅子舞使いの様に、神楽太鼓で囃し立てるのだ!!!

何が起こるか分からないが、それがまた楽しみでもあり、予定調和ではないが、終わり方も素敵な幕引きとなったのだった。

芸能が生まれて育っていくのをリアルタイムで見ている様でもあり、そんな瞬間に関われることに感謝である。

全ての方が見られるわけではないが、原始感覚美術祭のインスタグラムで原始感覚獅子舞の動画を見ることができるので、下記にリンクしておきます!

 

www.instagram.com

さて、来年はどんな事が起きるのか、それもまた楽しみである。