Dragontone /石坂亥士

神楽太鼓奏者・石坂亥士のブログ

4月28日は新たなる始まりの予感

地元のイベントに呼ばれることはあまり無いのだが、今回は不思議なご縁が繋がった。

イランから帰国してすぐの日曜に、友人のモーリーくんに誘われてジャガイモの植え付けに参加したのがきっかけとなり、梅田ふるさとセンターのリニューアルオープンの時に神楽太鼓を演奏することになったのだ!!!

開会の式典の始まるタイミングの9時半から5分ほど演奏して、式典が始まるらしい。その後は11時から30分ほど民族打楽器を中心に楽しい感じの内容で演奏する予定だ。

どちらも入場無料なので、氣軽に遊びに来てみていただきたい。

kiryutimes.jp

イベントのオープニングでの演奏は、水都大阪2009の時以来かもしれない。あの時は中之島を中心に、様々なアーティストが参加して色々な試みが展開されていたのを思い出すが、今回のオープニングから、何が始まって行くのだろうか・・・・

ちょっと、これからの展開も楽しみである。

梅田ふるさとセンター

 

 

虚空の響き

あるけどない・・・・

ないけどある・・・・

そんな感覚がしっくりくる響きがある。

高い山の頂を目指し、それぞれ違うルートで登り始めた者が途中で出会って、意気投合して共に頂を目指しすという表現がしっくりくる出会いが、今回ご一緒する殿元健照さんその人との出会いだった。

二人の祈りの響きが融合することで出現する空間は、正直な話、毎回良い意味で未知である。

お互いが相手の存在を最大限に信頼し、自分のやれることをやり尽くす感覚がとても氣持ち良くて、アクセルを踏み続ける車に乗っている様でもあり、絶対にブレーキは踏まないという感じ・・・・。

見た目は全く違うが、性格がそっくりな事もその響きを飛躍的に加速させる一因になっているとも思えるが、共に、混沌状態を楽しむ傾向があり、そこを通過してから生まれる世界観がなんとも言えない爽快感となるのかもしれない。

二人でユニットを結成するとしたら「混沌」だよね!!!

と冗談まじりで話していたのが、5月25日の富山県利賀村瞑想の郷で実現してしまったのである。

 



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虚空の響き@瞑想の郷

5月25日に瞑想の郷にて、神楽師・石坂亥士さんと真言宗僧侶・殿元健照さんのセッションを催す運びとなりました。

神楽太鼓と真言、そして曼荼羅が織り成す、この時この場で生まれる虚空の響きを是非共に体験できればと思っております。

私個人としては、このセッションが場開きとなる印象です。
今年度のおつとめを、お二方を迎えて始められることをとても嬉しく思っております。

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虚空の響き
真言と神楽の出逢いは混沌を極め 虚空の響きへ昇華する~

日時: 2024年5月25日(土) 17:00~18:00 (16:45開場)
場所:利賀瞑想の郷
富山県南砺市利賀村上畠
料金:3000円
予約・問合せ:080-8043-8583 (4/22以降)
または togameisounosato@gmail.com

※会場は冷えますので、羽織るものをお持ち下さい。座布団、ヨガマットなどをご用意しておりますが、数に限りがあります。クッションやマットなどをお持ちいただくことも可能です。

※ライブ終了後、希望者のみ夕食をご用意いたします。(要予約)

※瞑想の郷内の宿泊棟『瞑水の館』にて宿泊も受け付けております。(要予約)

夕食・宿泊に関する詳細は、電話またはメールにてお問い合わせください。
電話でのお問い合わせは、4月22日以降の9:00~16:00で承ります。

www.info-toyama.com

サヌカイトという石と音

19日は、高松サンポートホールでの公演のため、出演者スタッフ一同が高松に集結!!!

となると、やはり昼はうどんとなるのは当然ということで、ホテル近くにある「ちくせい」なる老舗うどん屋さんへ。

ここが、また美味しかった。自分でうどん玉をお湯で温めるのも楽しい。揚げ卵が有名らしくお昼には無くなってしまうという。

うどんで繋がる、「異響同塵」サヌカイト×チェロの世界。

京都公演では少し時間がかかったが、台は準備できているので、わりと早く準備が整っていった。

石たちの雰囲氣がなんとなく違う印象。。。。

京都公演で、石が眠りから覚めたのか、かなりやる氣満々な空氣が漂っていた。

照明の効果はかなりのもので、空氣の密度が見える様でもあった。

そして、水の流れの様でもあり。。。

そんな中で海岸寺空海太子堂修復チャリティー高松公演は、エリックさんのソロから始まった。

チェロの演奏で、ここまで引き込まれたことがないと断言できるほどに、彼の奏でるチェロの響きは心まで浸透してくるもので、驚愕のチェロ体験となった。

土取さんのサヌカイトソロは、まさに「古代石サヌカイトの神韻」の如きだった。京都公演で久々の響きに目覚めたサヌカイトたちが、響きの祝宴を開催していた様に、土取さんの神業の様なバチさばきからくる何層にも重なる音率と倍音とグルーヴは、一氣に「無」の空間を出現させたほどだった。とにかく凄まじいものを目撃というか体験してしまったという印象でしかなかった。

土取さん、エリックさん、松田美緒さんトリオでのアンコールも本当に素敵だった。

おそらく今の世の中において、ここまでクオリティの高い公演には、まずお目にかかれないだろう。

そんな公演に裏方としてでも関われたことは、とても豊かなことだと思える。

個人的には、群馬から全ての道程を一緒に楽しみつつも力を貸してくれた小林さんの存在がとても大きく、今回の公演の一つの原動力となっていたのも事実だ。

最終日は、海岸寺太子堂でのエリックさんのバッハ・無伴奏チェロ組曲の奉納演奏も素晴らしいものだった。全ての場所に置いて、彼が響かせるチェロの音は、心の奥底まで浸透してくる。

奉納演奏後、海岸寺の御住職に一子相伝で伝わる、空海直伝とされる病氣封じの秘術を、関係者に施してくれ、一同海岸寺の奥深さに触れたのでありました。

 

今回のサヌカイトプロジェクトに、ご来場いただいた皆さんをはじめ、出演者、スタッフ関係者の皆さんに心より感謝いたします。

 

 

異響同塵の時空

浜辺のサヌカイトプロジェクトは、非公開で行われ、ある種秘密の儀式的演奏だった。砂浜に描かれた螺旋模様の中心に突き立てられた一本のサヌカイトが、月と通信している様にも感じられたのが印象的だった。

コンサートホールで、どんなことになるのかと思っていたのだったが、冒頭の土取さんのサヌカイトソロでは、そんな浜辺のサヌカイトプロジェクトの雰囲氣が感じられたのが嬉しかった。

一発、サヌカイトを叩いた瞬間、場が変化し一氣に儀式空間へと変化した。

3月のイランツアーの「間」展は、磯崎新さんが始めたプロジェクトでもあり、今回の会場の京都コンサートホール磯崎新さんが設計したものというのも、かなり興味深いく一連の流れが全て繋がっているのを感じずにはいられなかった。

砂浜と海という生命の根源的な場所からコンサートホールという無機質な場所に移動して来た石たちは、どことなくよそよそしい感じは否めなかったが、音が響始めるとそれぞれの石たちが共鳴を始め、圧巻だった。

個人的には、浜辺のサヌカイトから関わっているので、それぞれの石との再会できたのがとても嬉しかった。

石の存在は、人の時間軸にあらず時空を超えて存在していくわけで、その音もまた時空を超えていくんだろうなあと思うところである。

エリックさんのチェロの響きも、かなり深いところから響いてくいるものだった。二人の絶大な信頼感が、更に響きに拍車をかけ、異響同塵という言葉がしっくりくる音がそこに誕生していた。

石から見た光景はどんな感じだったのか・・・

演奏が良いのは当たり前として、スタッフ目線としては、準備から撤収含め良い流れでできたことが、全てを物語っているわけでもある。

仕込み前に立ち寄った、Usaato京都では、広島の常福寺でうさと展を主催した渡邉さんとバッタリ再会!!!

そして、夜の公演に来てくれるという嬉しい連鎖が!!!

また、桐生の神楽を見に来てくれた方が、ちょうど京都へ行くのとことで、公演のご案内をしたところ、これまた絶妙タイミングだったらしく、会場で嬉しい再会となった。

そんな感じで、きっと今回の奇跡の公演を見るべき人が、その場に集結したのだと思えてならない。

俺たちは、その夜次の公演の地、高松へ移動。

翌日は一日オフなので、念願の大喜多うどんへ!!!

前回来た時は、天ぷらの大と中の二杯食べて、多過ぎたので、今回は中を二杯にして、大満足。

その後、どうもエアコンが冷えないのでオートバックスに点検い行くと、なんとガスの量が全然足りてなかったらしく、補充してもらい一応復活!!!

珍道中ではあるが、友人の小林さんと若者の様な時間感覚で、旅を満喫しているのも事実であり、素敵な時間を過ごせることに感謝である。

神楽を終えて京都へ!!!

4月15日は、春季例大祭本祭りでの神楽の上演を終えた後からがなかなかにハードだった。

その日の深夜、友人の小林さんと京都を目指して出発したのでありました。

うちの神楽では、神前に奉納されたお酒を、「白黒翁三番叟」の奉納が終えてから、「さんばのお神酒」と言って、必ず全員が飲む風習が残っている。それは、「白黒翁三番叟」と言う舞台清めの舞のエネルギーが転写されたお神酒なので、飲めない人も少しだけでも口にして、このお祭りの間中無事に守ってもらう意味があるとも言われている。

毎回思うのだが、なんてことない日本酒でも美味しく感じるので、かなり不思議なことだと思えてならない。御神氣が入ってお酒が変容しているのかもしれない。

そんな、さんばのお神酒を少し多めに飲んでしまったこともあり、最初は小林さんに運転してもらうことになった次第だ。

二人運転手が居ると、かなりスムーズに移動距離を稼ぐことができ、それぞれの疲労度は劇的に軽減される。京都へは予定よりも早目に到着することができたので、目的地近くの温泉を見つけてそこで休憩することにした。

ここが、かなり良い感じだった、不動温泉!!!

古の温泉でもあり、その花崗岩から湧き出る霊泉は、でラジウム鉱泉とのことでもろもろの効能があるそうだ。

びっくりしたのは、最初に入って行くと、貫禄あるおかみさんが、「初めてですすか!?まあ、こちらへどうぞ!!!」と言う具合に座敷の一つのテーブルに案内される。

「ここが、あなた方のテーブルですから、温泉に入って、ここで休むななりご飯を注文するなりしてくださいね!」と言って、温泉の効能を歌い上げるが如く口上してくれる。

温泉だけ入る場合は、その場で会計だが、ご飯を食べると言うと後会計となる仕組みらしい。

ここで、昼寝もできて、かなり身体を休めることができたのだった。

そして、向かったのは京都某所の秘密基地的U氏のお宅。

明日に控えた、サヌカイトとチェロのコンサートの前に、台を組んでどのサヌカイトを使うか土取さんにチェックしてもらうことになっていたのである。

このサヌカイトのプロジェクトに関わる人間は、でしゃばる人がいなくて、穏やかな水の流れの様な雰囲氣がするのが不思議だ。

土取さんがサヌカイトを叩くと、走馬灯の様に浜辺で聴いた音律が蘇って来る!!!

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音の持つ記憶というのは、素晴らしく深い部分に刻み込まれているんだなあと、しみじみ感じ入った。

共演するエリックさんとは旧知の中と来ている。このサヌカイトとチェロの組み合わせは、サヌカイトという古代の音率と、チェロという現代稀に見る心にまで染み込んでくる人類創造の究極の楽器による音で時空を超越していく行為だと思えるのである。

そんな事件を目撃できるのは、きっと今回より他にはないだろう。

きな臭い世界情勢の今、あえてこの音の融合と解脱が必要な様に思えてならない。

 

賀茂神社春季例大祭2024

笛の師匠が今回から居ないことで、大きな喪失感はあるものの、残った神楽師が志を同じくして今回の春季例大祭に臨むことができた様に思う。

新しく始まる時は、何か大きなエネルギーが必要となる!!!

そんな意味も含め、神楽師を取り巻くサポーターが少しずつ増え、神楽師公認のインスタまで始まると言う、新たに発信していく体制が整い始めた第一回のお祭りとなった。

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若手の高校1年の草吉と3年の亮太が、準備も率先して手伝ってくれ、祭りの場が整って行った。
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宵祭りでは、久々となる「大蛇退治の舞」が上演され、闇に浮かぶ神楽殿は、小さな子どもの目にどんな風に言えていたのだろうか・・・

こんな幼い子も、いつか神楽殿に立つ日が来ることを願いつつ、神楽は淡々粛々と上演されていった。

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個人的には、足名椎命(アシナツチノミコト)役での、長い台詞を飛ばさずに言えたことが収穫だった。
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ありがたいことに、翌日の本祭りも氣持ち良く晴れて、祭り日和となった。

俺の朝一の仕事は、「天の岩戸開きの舞」の手力男命(タジカラオノミコト)を舞う時に使う笹を採ることだ。

鎮守の杜の入口に鎮座する鹿島神宮香取神宮へお参りして、笹をいただいいて来るのである。この古の朱赤がなんとも言えない風格を醸し出している。

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今回、自分の中で白翁の舞が、飛躍的に進展した。

白翁は、右手に半紙を折ったものを進む方向に向けてに持っている。今までは、頂点が二つになった三角だったが、タイミングよくも、師匠の和さんが、三方にお供えを乗せる時には、こうやって頂点を合わせて折るんだよ!と始まる前に教えてくれたことで、白翁の持つ半紙もこれに違いないと閃いて、その折り方で試みてみたら、まさにドンピシャ!!!

今まで感じた事のない、白翁本来の舞台清めのエネルギーと融合した感じがしたのは、大きな収穫だった。

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神楽師ギリギリの人数となり、みんなで協力しつつ幕を進め、天照大神役は6歳の最年少の今坐がやってくれ、神楽師一同感謝でありました。

やはり、子どもが天照大神役になると、神々しさのレベルが違ってくるのが不思議だ。

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稲荷山種蒔きの舞でのえさ公コンビも、だいぶ馴染んできた様に感じる。

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これから、神楽が熱くなりそうな予感である!!!

 

次の秋季例大祭は、10月の15日に近い土日となる予定なので、ご興味ある方は是非!!!

 

 

神楽は淡々と流れゆく・・・

3月1日は、神楽の練習日だったが、その日にイランツアーへ旅立つスケジュールだったので練習の時は空の上だった。

イスタンブールでのトランジットの時に、神楽師の笛の師匠の訃報が飛び込んできた。

人は、いつかはその時が来るとは言え、俺が神楽師になった時から、先代の笛の師匠から厳しく笛を仕込まれて賀茂神社の神楽の笛でお囃子を牽引して来た、笛の師匠・荻原和英さんが居なくなった神楽は、ぽっかりと心に大きな穴が空いた感覚な事は否めない。

舞踏家の中島夏さんをはじめ、3月末には山海塾天児牛大さんまで旅立たれたと聞く。一時代を築いてきたマスター達が同時期に旅立ってしまった衝撃はかなりのものだと思える。

当たり前かもしれないが、自分としては荻原さんの訃報が一番ショッキングなことは間違いない。

かなり一本氣な性格だったこともあり、人との相性は極めてピンポイントだった印象でもある、なかなかに付き合いにくい人物だったかもしれない。

不思議と俺とは氣が合い、「自分は90歳までは笛を吹きますから!!息をフーッと腹から出すんだよ!」と口癖の様に言っていたのが思い出される。

今は高校生となった、幼少期の甥っ子草吉と二人で真剣に練習していた光景が印象的だった。

当たり障りのない付き合いが横行している昨今において、同じ神楽師にも喧嘩を吹っかけて行く、尖り過ぎて人を寄せ付けない彼の生き様は、独りで旅立って行くことで幕を閉じたそうで、亡くなるまで一貫していたことは、本当に素晴らしいと思える。

神楽師一同、心より、ご冥福をお祈り申し上げます。

笛の師匠不在となったが、2024年4月14日、15日は、賀茂神社の春季例大祭が行われる。

14日の宵祭りでは、17時半頃から「白黒翁三番叟」を上演し、夕食の後の19時頃より、「大蛇退治の舞」を上演する予定となっている。

15日の本祭りは、10時半より「白黒翁三番叟」「猿田彦の舞(道開けの舞)その後お昼休憩。

13時過ぎから「岩戸開きの舞」「子守りの舞」「屑紙拾い三番叟」「稲荷山種蒔きの舞」上演予定となっています。神楽師の人数がギリギリなので、順番が変わる可能性有りです。

きっと、荻原さんが神楽殿に遊びに来てくれるのではないかと思えてならない。

 

この春から神楽師的にも変化が始まり、なんと公認のインスタグラムまで始まると言う流れに!!!

神楽師がやっているわけではないのですが、数十年神楽を見てきたマニアックな目線での紹介なので、レアな動画や写真も多々アップされる予感です。

この春季例大祭から本格的に発信されていくとのこと。

 

インスタグラムの条件設定が変更になったらしく、インスタグラムのアカウントを持っていないと見ることができない様ですが、下記リンクにてマニアック情報を発信し始めておりますので、是非チェックしてフォローしていただけたらありがたい限りです。

よろしくお願いいたします。

下記画像もしくは文字部分よりリンクを貼ってあります。

@mundodelakagura 賀茂神社神楽師公認インスタグラム