Dragontone /石坂亥士

神楽太鼓奏者・石坂亥士のブログ

まつしろ現代美術フェスティバルにて

だいぶ時間が過ぎてしまったが、今年の夏越の大祓の日は、まつしろ現代美術フェスティバルの地に居た。

旧松城駅舎で原始感覚獅子舞のパフォーマンスが行われるとのことで、そこで待ち合わせとなったが、古の趣が残る駅舎は、何故か居心地が良くて、強い日差しに照らされる原始感覚獅子舞が青空に映えていた。

とにかく本格的な音でもありその存在感が凄くて氣になったのは、この鈴と銅鑼だった!!!

杉原くんとパートナーの綾花ちゃんが、台湾での滞在制作の時に手に入れたという、現地の儀式で使われていたという代物とのこと!!!

銅鑼の裏には、遠目ではガムテープかと思っていたのだったが、お札がバッテンに貼られていてビックリだった。

いやいや、素晴らしいものを見せてもらえて、嬉しい限りだった。

そんな呪術的な繋がりからか、翌日の夏越のお祓いの本番の日は、シンガポールから来日中のザイ・クーニンさんとのパフォーマンスだった。

舞台美術として、齋藤徹さんと縁の絵描きの小山利枝子さんの巨大な蓮の花の絵が多数展示され、かなり空間は変容していった。

当初は、小鼓の久田さんとザイさんと俺と杉原くんでの公演予定だったが、箏の竹澤悦子さんという方も、齋藤徹さんとのご縁から後から参加することになったらしい。

そんな初めましての方も居て、即興の現場は、楽しいことが起こりそうな予感だったのだったが、久田さんが急遽、腕を骨折してしまったので参加できないこととなり、予定通りの参加人数での公演となったのだった。

この赤い糸が、ザイさんのパフォーマンスのある種の起点となっていく。

箏の竹澤さんは、笙も演奏される様で、ラストシーンは、笙を持って、何故か客席へ行って座ってしまった・・・。

その流れから、会場に居た彼女の友人のダンサー・山田うんさんが竹澤さんと一緒に舞台へ踊り出てきて、良くも悪くも、今まで作ってきた即興の流れは分断される結果となった。

まあ完全即興なので、なでもありと言えばありなのだが、うんさんが出てこなければ、もう一つ展開があったんじゃないかとも思え、その即興シーンを体験できなかったのは個人的には残念だったが、うんさんも齋藤徹さん縁の方らしく、彼女が踊り出てきたこともそれはそれで、必然だったのかもしれない。

その様子を、きっとこのごっついカメラたちが記録しているに違いないので、いずれどこかで見かけることになるのかもしれないなあ。

現時点でのパフォーマンスの画像はないが、ザイさんがチャンゴを演奏しつつ唱え言葉を発するという、「もう絶対儀式だろ!!!」という空間が広がっていく。そして彼の身体パフォーマンスによって、この赤い糸がザイさんの祈りの様に会場に散りばめられていったのは印象的なシーンでもあった。

たまたま見にきていた少女が、ザイさんと一緒に最後にこの赤い糸を集めるのを手伝っていたのが、良い雰囲氣だったなあ。

ザイさんが、この赤い糸を介して、何かしらを紡いでいく行為はかなり興味深い。

さまざまな要素と思惑が入り乱れた公演も、元の何も無い空間へと戻って、ようやく落ち着いた感じがしたのでありました。

松代藩文武学校という、素晴らしい場所と出逢うことができたことに感謝したい。

 

巨大カウベルと稲の成長

日頃から、鳴り物系、特にベル類の面白そうでリーズナブルなものが無いかと、目を光らせているのだが、今回は、かなり衝撃的な出逢いとなった。

かなり長過ぎて、これは本当に牛に装着していたとは思えないが・・・・

素敵な造りであることに間違いは無い。

この、中から吊るされている木の減り具合を見ると、使われていた雰囲氣は見てとれるので、もしかしたら、かなり巨大な牛に付けていた可能性はあるが・・・・。

それにしても、皮の厚さが極厚で、総重量は5.5キロの内、皮の重さだけでもかなりある感じだ。

前日に届いたので、観察するのと、少し音を出してみるので、田圃の草とりに持って行ったのだ。

田植えの時以来なので、稲はとても良い感じに成長していた。

4枚の田圃を、もう三回は雑草取りをやったところとのこと。

佐々木さんに、やり方を教わって田圃に入って雑草を抜いていく。雑草を抜いていくことのみに集中する作業だが、結構楽しいのが不思議だ。

田圃の中を移動していくのは、なかなかにバランス感覚が鍛えられる。

無農薬のお米は、こうやって地道な草取りをしているからこそできるんだなあと、いつも食べているお米に感謝の氣持ちが湧き上がってきた。

水面に映る稲の姿が、陰と陽の世界観にも感じられる。

フッと草むらを見ると、佐々木さんの作った田圃の神様が見守ってくれているのが、とても良い雰囲氣だ。

蛙やアメンボもまた素敵な世界観を見せてくれていたなあ。

普段は、何氣なく見ていた田圃だが、他の人の田圃をついつい見てしまう今日この頃。



七夕に出逢えた音

梅田ふるさとセンターという場所が、新しい運営体制となって、今回の様なライブが開催できた事は、とてもありがたくもあり、大きな変化だと思える。今回のライブ実現にご尽力していただいた運営スタッフの皆さんに心より感謝です!!!

今回、俺の方はいろんな場面を想定して、神楽太鼓含め多目に楽器類を準備してみた。

なんとなく、天空の天の川をイメージしつつ、ベル系の小さいものからシンギングボウルや小さいゴング類などの金属系の楽器を配置して、完全にアナログなリアル民族打楽器&鳴り物サウンドだ!!!

一方、仲くんの方は、エレキギターエフェクター類が接続され、それにプラスしてシンセやパソコンというエレクトリックな世界だ。

あまりよく分からない分、とても興味深い世界でもある。

事前に打ち合わせしたのは、即興演奏を何度かやっていく途中で、MCを入れていこうということだけだったが、普段ぶっ通しで演奏するスタイルなので、不思議な感覚を覚えたが、これはこれで仲くんとのセッションだと、楽器の解説もできたりして、このMCがあって良い感じだったようだ。

チベット発祥のシンギングボウルの解説の時に、ダライ・ラマ法王の名前も上げたのだが、そこから閃いた様で、仲くんが「次の曲はダライ・ラマでいきましょう!」というあり得ない展開となり、後から聞いた話によれば、みんな不思議と眠氣に襲われていたんだとか。。。。

ハーモニカを演奏するおじいさんが来ていたそうで、その方が「これは宗教音楽だな!」と言っていたそうで、ある意味的を得ているコメントにさすが年月の積み重ねを感じた一言がありがたい。

お互いに、好き勝手にやりまくって、四つのシーンが生まれた。

オープニングは、仲くんの創り出す音像の中で鳴り物類を持って自由に遊ばせてもらった。

その次のシーンは、例の「ダライ・ラマ」。そして、ハンドドラムをメインに使ったハートビートSession。ラストは、七夕神楽という感じに神楽太鼓でのSessionで締めくくった!!!

年齢が同じこともあるだろうが、同じ系統の即興の感覚を共有できていることに感謝である。お互いが合わせることではなく、走り続ける感覚!!!

そして、まさに桐生川の源流の様に、清々しい水が流れ続ける感覚に近いのかもしれない。

PAの金子さんが協力してくれたのが、とても大きかったとも言え、会場には俺のライブの舞台監督の高峯くんも遊びがてら来てくれているので、とにかく安心できて素敵な七夕のセッションの時間を過ごすことができた。

ご来場いただいた皆さんをはじめ、ふるさとセンターの運営スタッフの皆さん、仲くん、関係者スタッフの皆さんに感謝であります。

渋川から、小林さんがバイクで来てくれて、いつものごとく撤収まで手伝ってくれたのですが、ローカルな話題として、渋川から来る時に旧大間々の街を抜けるのが暑さとの戦いだったとか・・・。

年を重ねても、桐生川源流の流れの様に、清々しくありたいと思うのでありました。

GAISHI_NAKAというユニット名を仲くんが付けていて、今後も面白い展開になっていきそうで、とても楽しい七夕の出逢いとなりました。

夏越ノ大祓2024裏方目線

桐生市有鄰館という場所は、場所だけを貸してくれるので、掃除から何から全てを自分たちでやることになる。

この感じは、他のスペースやホールでは味わえない醍醐味だろう。

前日の仕込みの朝から、桐生チームと都内チームがそれぞれ集まってくる。そお書くと聞こえはいいのだが、みんな手弁当で駆けつけてくれているのが実のところでもある。

友人よりも、頻繁に会う間柄なので、かなり面白い関係の仲間でもある。

最初は、舞台をどう組むか!?云々の相談をしつつも、会場の掃除から粛々と始まっていく。

毎回、この感覚が素敵だなあと思えるのだ。やらされる掃除と積極的にやる掃除とでは、氣分から会場の清々しさがここまで違うか!?という目から鱗状態でもある。

昨年、還暦を迎えた高橋さんは、赤いスタッフTシャツを着て、やる氣満々にゴングの吊り下げ作業を!!!

今年の夏越ノ大祓は、赤がポイントになっていた。俺自身も、この衣装を選んでいたのも、必然だったかもしれない。これは、母方の祖母が来ていた着物を母がリメイクしてくれたもので、久しぶりに表舞台に出ることになって、衣装も嬉しそうに見えた。

亥士と書かれたスタッフTシャツ。自分で見るのは、少々違和感があるが、良い感じでもある。

開場前に、プチ出演者でもある今坐が入ってきて最初にしたのは、この傘を回すことだった。高橋さんの作った依代的オブジェは、やはり何やら祭禮の氣配を醸し出していたことは間違いないだろう。

以下の写真より [ 撮影:須藤 亜弥子 ]

撮影スタッフの彼女の独自な視点で、準備段階から隠し撮りされている様な一コマも含め、紹介しておこう。

実は、Kさんの音叉は机の下にもかなりの本数が吊るされていたのだ!!!!

3人がかりで、かなり時間をかけてせっせと取り付けていた。デザイナーの西原直紀くんの、やり切った感が滲み出ている表情に、大仕事だったことが見て取れる。

肉体労働するものにとっては、休憩時間はとても大切なひと時だ。

本番でない時に、知らずに撮られている一コマというのは、実はかなり重要でもあるのだ。

修行時代に、師匠の土取さんのパートナーの桃山晴衣さんから、言われたこんな一言が思い出される。

「いいか、表現者というのは、いつ何時、写真に撮られても素敵に撮られていなければならないんだ!」

その言葉を大切にして今日に至るので、あやちゃんの抜き打ちテスト的隠し撮りには、毎回ヒヤヒヤさせられている次第。。。

実物よりもかなり良い雰囲氣の布たち!!!

あやちゃんの撮った何枚かの写真からは、音の粒子が見える氣がする。

このKさんの音叉は、物理的に反射はするが、これは音が放たれる瞬間の様にも見て取れる。

そして、夏越ノ大祓2024の幕は閉じていったのだった。

昨日6月30日は、本来の夏越の大祓の日でもあったのだが、まつしろ現代美術フェスティバルに参加していた。

撮影用のカメラで、赤いラインで楽器の輪郭をトレースできるというのには、かなり衝撃を受けた。

こちらも、赤がポイントとなる濃密な儀式的パフォーマンスが執り行われたのだったが、その話は、後日記事にアップしたいと思う。

七夕Sessionイメージ音源

仲くんが、先日のFM桐生のスタジオでのセッション音源をサウンドクラウドにアップしてくれました!!! 

七夕の日に行われる、仲くんとのセッションが、どんな音の世界なのかを少しイメージできるかと。

仲くんとのセッションが楽しいのは、お互いに即興でやれることと、それぞれ歩んできた音楽の道が違いすぎて、お互いに興味深く思っていることかもしれない。

soundcloud.com

大人になると、七夕に願い事を短冊に書いて竹に吊るすことは、かなり少なくなってくるはず。

自分の願いを短冊に記すのも勿論だが、こんな世相なので、今を生きる大人としては、自分のことではなく「明るい未来を!!!」と願うのもありなのではないだろうか。そして、その願いを大の大人が真剣に音に乗せて、天の川の向こうの星へと届けようとする行為、なかなか今の時代において風流だなあとも思える。

仲くんも俺も、かなり真剣です!!!

桐生川の源流域というのも大きなポイントだと思え、こんな風流な企画をしてくれた、新たなふるさとセンターの運営スタッフの皆さんに感謝です。

問い合わせ・予約などはこちらへ!!!

 

ふるさとセンター管理運営共同事業体

イベント担当 合同会社 バリュー・フォレスト 武井沙織

電話 090-2445-5820  メール s.takei@value-forest.com

 

七夕Session@梅田ふるさとセンター

七夕Sessionの詳細が届きました!!!

なんと、お食事付きで、3,000円という破格の内容となってます。

食事は、14時30分までにレストランで済ませるとのことです。

昔から続けられている風習には、必ず意味があるので、このタイミングで地元の音楽家同士でセッションできることに感謝です!!!

新体制となった、梅田ふるさとセンターが、益々生き生きした場所になることを願って当日を迎えたいと思います。

ぜひ、梅田ふるさとセンターでお会いしましょう!!!

記述はありませんが、基本的に中学生以下の子どもは食事は付きませんが無料にしちゃいます!

当日フラっと寄って見るのもありです。

ーーー以下イベント記事より転写ーーー

2024 年 4 月からリニューアルオープンした梅田ふる さとセンターでは、季節に合わせた企画を開催してお り、5 月に梅田茶の手摘み体験会を 4 回開催し、好評を 博しました。今回は、7 月 7 日の七夕に併せた企画を開 催しています。七夕は、季節の節目に健康や豊作などを 願う日本の伝統行事である五節句の一つで、秋の豊作 と機織りが上達するようにとの願い、そして穢れを払 う行事です。

七夕を楽しんでいただくために、創作実習室に大き な竹と短冊に願いをしたためるスペースと七夕飾り作 りコーナーを設けました。吹き流し、網飾りなどの七夕 飾りを紹介し、実際に折り紙で作って、お持ち帰りいた だけます。イベント期間中に、ご希望の方に先着順で七夕用のササをプレゼントします。

7 月 7 日、七夕当日には、桐生を拠点に活動する石坂亥士と冨沢仲の二人の音楽家による七夕 演奏会を開催します。

石坂氏は、広沢加茂神社の神楽師として 30 年以 上神楽の世界で修業をし、その神楽の世界観やお囃 子から桐生の伝統文化のエキスを吸収し、自身の音 楽へと昇華しています。冨沢氏は、梅田の自然から 得たインスピレーションをアルバムとして発表もし ています。二人はともに、FM 桐生のパーソナリテ ィを務めていて、音楽を通して桐生に関わる存在で もあり、七夕の日に、桐生川の源流で二人が出会う という奇跡の共演です。

短冊に書かれた願いが、そんな桐生川源流で生まれる音にのって、天の川まで届けられます。

開催期間:短冊と七夕飾り 6月 23 日~7 月 7 日

演奏会 7 月 7 日(日) 14:30 開場 15:00 開演

※食事は 14:30 までにレストランでお済ませください。

場 所:梅田ふるさとセンター 創作実習室
入 場 料:創作実習室 入場無料

7/7 演奏会 食事券付きで3,000円

五節句とは、7/7 の七夕のほかに、七草がゆを食べる七草(人日)の節句(1/7)、女の子の成長を祈る桃(上 巳)の節句(3/3)、男の子の成長を祈る端午の節句 (5/5)、不老長寿を祈る重陽節句(9/9)があります。

ふるさとセンター管理運営共同事業体

イベント担当 合同会社 バリュー・フォレスト 武井沙織

電話 090-2445-5820  メール s.takei@value-forest.com

 

 

夏越ノ大祓2024を終えて

今年の「夏越ノ大祓」は、当初、奥能登を拠点に活動している舞手の三輪福さんをゲストに考えていたのだった。しかし、能登地方を襲った元旦の大地震で状況は一変 。。。

三輪福さんは、現地での復興活動に身を置いているのである。

こんな時、無理に一緒の舞台に立つ必要もないわけで、それぞれの場で、やれることを大切に行うことが、次に出会った時の密度も濃くなるとも思えるのだ。

そんな経緯がありつつ、今回は、音叉の鉄人的存在のKさんに白羽の矢が!!!

そして、いつもは舞台を組んでくれている高橋 和之さんに舞台美術をお願いし、「おじさんトリオの夏越ノ大祓!!!」が実現したのである。

高橋さんは、舞踏公演の舞台美術にも関わることが多かったこともあり、彼の作った竹の骨組みから垂らされた布は、ある意味芸能の根源的なビジュアルを空間に映し出していた様に感じられた。

自分の中で、今!!!

神楽というものの存在が、不思議と熟してきているのを感じており、実は、今年の夏越ノ大祓では、神楽で行われている四方固めの要素を取り入れて見たいと思っていたのだ。

そこに、高橋さんが神楽で使われる「雲(天蓋)」の変形版を出現させるという、イメージのリンクまで発生するという!!!

「雲」は、修験の流れが神楽と融合して取り入れられたらしく、「雲」自体が生き物の様に意思を持っている風でもあるのだ。

おそらく、この「雲」がアンテナのような役割となり、見えない世界へこの世からの祈りの感度を上げて発信しているではないかと思えた。

全ての音や氣配を、この傘が吸収していく様にしか感じられなかった。

Photo:Michi Ishihara

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石原ミチさんが撮ってくれた写真が、その日の濃密な世界を切り取ってくれている。

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イメージのリンクは止まらなくて、Kさんが最初に会場の四方固めをするべく、大きな音叉を持って、四隅を回っていた。

俺は、外に待機していたのだが、グンタの音が鳴ったかと思ったら、重たい金属を床に落とした凄い音が轟いた!!!

瞬時に、「大きな音叉を落としちゃったな!!!」と思った反面、正に祓う音だなあとも感じられ、きっとその場に居た皆さんは、良い意味で「ハッ」としたことだろう。

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そんな素敵な始まりから、夏越ノ大祓2024 は始まって行ったのだった。f:id:dragontone:20240627002857j:image

巨大音叉の揺れる音はシンギングボウルの様でもあり、この写真の様に空間を振動させ、全てのものに浸透していく。
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そして、俺も空間を揺さぶる様に傘にコンタクトしていく。

傘の下には、結界にするべく四方に石を配置した。

自分のやっている神楽では、四方固めを執拗なほどに行う。四方固めというのは、神楽殿の四つ角を所作や動きや音によって、とにかく清めていく行為だ。上から見ると、正方形の中にバッテンが描かれた図形となる。変則的に、そこに三角が加わる場合もある。

結界というものは、その中を清めるというイメージが強いが、清められた結界の張られた場所が起点となり、そこからジワジワと清まった状態がその周囲へと浸透していくということらしいのだ。

神楽師の先輩から、昔から、お祭りがなくなっていく地域は、衰退していくという言う話を聞いたことがある。それは、お祭りの時に、神楽で結界を張ってその場が清まり、それがその地域に時間差で浸透していくからなのではないだろうか!?と最近思ったのである。これは、長年不思議に思っていたことが、ここにきて腑に落ちたのである。地域の衰退云々は、もろもろ要因はあるだろうが、そんなことも関係している可能性もなくはないだろう。

勝手な見解ではるが、その効力は半年程度なので、春と秋にお祭りを行うということなんだと思うのだ。

話は逸れたが夏越の大祓も然りで、6月末に行って、年末にまた一年の祓いがあるのもの頷けることだ。

神楽に30年以上関わってきて、神楽が身体に浸透してきているのをなんとなく感じている。そんな中で行われた夏越ノ大祓2024は、正に神楽の世界観が出現していたのだと思うのである。

蜘蛛の巣の様に張り巡らされた傘の結界を結ぶ大小さまざまなビーズは、高橋さんが夜な夜な作り込んでいた渾身の力作だ。

数珠を手首に巻いたりしてお守りにしている人も多いが、これは、正にそんな数珠の変形版だったと思える。六角形の中に三重に張り巡らされた数珠の結界が、視覚的にも儀式的にもかなり良い仕事をしていたのではないかと思えてならない。

必然な流れだったのか、Kさんから「一緒にやってくれ!」と娘に出演のオファーがあり、彼のソルフェジオガンクを預けられてしまったのだ。彼女は、神楽師としては天照大神役をやっているが、今回いきなりの舞台デビューとなった。

俺が頼んだわけではなく、他からの力で舞台に立つことになったのは今後興味深いところだ。

Kさん命名の「アマテラス無邪気ーず!!!」の二人。

会場作りから、音響、照明、記録、もろもろ関わるスタッフみんなが、最善を尽くして舞台が進んでいけることが、とても嬉しい。

そんな空氣感を音へと昇華していく。

一番のポイントは、関わる者がそれぞれを信頼していることに尽きるのかもしれない。

微細な音叉の音もマイクで拾って、バランスをとって会場に流れしてくれ、神楽太鼓の大音量の中でも音叉の音が効果的に響いていた。

今、周波数の世界は、かなり熱いらしく、祓う周波数もあるとのことで、夏越ノ大祓なので祓う周波数をガンガン鳴らしてくれたとか!!!

ご来場いただいたみなさんをはじめ、出演者、スタッフ関係者のみなさんに、心より感謝です!!!
どうもありがとうございました。

今の自分たちを取り巻く環境は、かなり厳しい現実もありますが、大人に混じって10名ほどの子どもたちが、この渋〜い舞台に来てくれたという奇跡は、とても嬉しい現実でした。

子どもたちの声や、走り回るエネルギーが会場に満ちて、これもまた神楽の世界観でもあるわけで、泣こうがわめこうが乳幼児まで大歓迎のスタイルは今後も貫いこうかと!!!

俺のやっている賀茂神社の神楽では、「白黒翁三番叟」という幕が最初に行われ、それが終わった後に、供物として上げてあった御神酒を「サンバの御神酒」と言って必ず飲むのが慣わしとなっていて、これは、飲めない人も舐めるだけでも身体に入れることになってます。

「サンバの御神酒」を飲むことで何事もなくお祭りを行うことができると言われているのです。

今回のサンバの御神酒は、いつも来てくれる長田さんからの差し入れを開けました。おそらく、かなりの周波数がお酒に転写されていたんだろうなあ・・・。