Dragontone /石坂亥士

神楽太鼓奏者・石坂亥士のブログ

夏越ノ大祓2024裏方目線

桐生市有鄰館という場所は、場所だけを貸してくれるので、掃除から何から全てを自分たちでやることになる。

この感じは、他のスペースやホールでは味わえない醍醐味だろう。

前日の仕込みの朝から、桐生チームと都内チームがそれぞれ集まってくる。そお書くと聞こえはいいのだが、みんな手弁当で駆けつけてくれているのが実のところでもある。

友人よりも、頻繁に会う間柄なので、かなり面白い関係の仲間でもある。

最初は、舞台をどう組むか!?云々の相談をしつつも、会場の掃除から粛々と始まっていく。

毎回、この感覚が素敵だなあと思えるのだ。やらされる掃除と積極的にやる掃除とでは、氣分から会場の清々しさがここまで違うか!?という目から鱗状態でもある。

昨年、還暦を迎えた高橋さんは、赤いスタッフTシャツを着て、やる氣満々にゴングの吊り下げ作業を!!!

今年の夏越ノ大祓は、赤がポイントになっていた。俺自身も、この衣装を選んでいたのも、必然だったかもしれない。これは、母方の祖母が来ていた着物を母がリメイクしてくれたもので、久しぶりに表舞台に出ることになって、衣装も嬉しそうに見えた。

亥士と書かれたスタッフTシャツ。自分で見るのは、少々違和感があるが、良い感じでもある。

開場前に、プチ出演者でもある今坐が入ってきて最初にしたのは、この傘を回すことだった。高橋さんの作った依代的オブジェは、やはり何やら祭禮の氣配を醸し出していたことは間違いないだろう。

以下の写真より [ 撮影:須藤 亜弥子 ]

撮影スタッフの彼女の独自な視点で、準備段階から隠し撮りされている様な一コマも含め、紹介しておこう。

実は、Kさんの音叉は机の下にもかなりの本数が吊るされていたのだ!!!!

3人がかりで、かなり時間をかけてせっせと取り付けていた。デザイナーの西原直紀くんの、やり切った感が滲み出ている表情に、大仕事だったことが見て取れる。

肉体労働するものにとっては、休憩時間はとても大切なひと時だ。

本番でない時に、知らずに撮られている一コマというのは、実はかなり重要でもあるのだ。

修行時代に、師匠の土取さんのパートナーの桃山晴衣さんから、言われたこんな一言が思い出される。

「いいか、表現者というのは、いつ何時、写真に撮られても素敵に撮られていなければならないんだ!」

その言葉を大切にして今日に至るので、あやちゃんの抜き打ちテスト的隠し撮りには、毎回ヒヤヒヤさせられている次第。。。

実物よりもかなり良い雰囲氣の布たち!!!

あやちゃんの撮った何枚かの写真からは、音の粒子が見える氣がする。

このKさんの音叉は、物理的に反射はするが、これは音が放たれる瞬間の様にも見て取れる。

そして、夏越ノ大祓2024の幕は閉じていったのだった。

昨日6月30日は、本来の夏越の大祓の日でもあったのだが、まつしろ現代美術フェスティバルに参加していた。

撮影用のカメラで、赤いラインで楽器の輪郭をトレースできるというのには、かなり衝撃を受けた。

こちらも、赤がポイントとなる濃密な儀式的パフォーマンスが執り行われたのだったが、その話は、後日記事にアップしたいと思う。