Dragontone /石坂亥士

神楽太鼓奏者・石坂亥士のブログ

Shingetsu-Kagura Project vol.10. 夏越ノ大祓2024@桐生市有鄰館酒蔵

Shingetsu-Kagura Project vol.10 2024.07.06.

Photo:Michi Ishihara

水無月の 夏越の祓いする人は 千歳の命 延と云うなり」とは、6月末の夏越 の大祓の期間に、神社に設置された茅の輪を最初に左回りに潜る時の唱え詞 とのことです。その次に右回りで潜る時には「夏越の大祓とは、半年間に積もり積もっ た罪汚れを祓う行事ですが、そんな夏越の大祓からインスピレーションを得 て、「夏越ノ大祓」と題して毎年、6月末にライブを行っています。 雷の大親分としても知られる、須佐之男命が大きく関係しているのは間違い ないので、その尋常ならざる巨大なエネルギーによって、もろもろの罪汚れ や厄が一掃されていくのも納得できるところです。

その須佐之男命の御霊を祀る日本唯一の神社とされる、出雲にある須佐神社 へ行ったことがありましたが、ここは凄まじいエネルギーが渦巻く場所だっ たのを覚えています。神社の境内には小高い丘があり、そこに祠があって氣 になってしまい、写真を一枚スマホで撮ろうと思ったのですが、直接撮って はまずい氣がして、木を入れて空を撮ったんです。そして参拝から車に戻って 出発しようとしたら、なんとなんとフル充電してあったスマホがうんともす んともいわない状態に・・・・。 どうやら急激に電池が無くなった様で、全く電池がない状態になっていまし た。これは失礼なことをしてしまったと思って、心の中で「申し訳ありませ んでした。写真は消しますので勘弁してください。」と丘の上の祠へ向けて 念じました。 そしたら、車のシガライターに接続してしばらくしたら充電が始まり、操作 できる様になってからすぐにその写真を削除したのでした。氣軽に撮ってい る写真ですが、撮ってはまずい場所は存在するんだなあという教訓を覚えた 場所がこの須佐之男命の神社でもありました。

そんな須佐之男命が持つ、凄まじいエネルギーが、今回のライブでは背後に 流れていると感じます。vol.8でお送りした「マドモアゼルからの刺客」で音 叉を演奏している小林さんをゲストにお迎えしての即興セッションです。小 林さんから、6歳の娘にソルフェジオガンクでの出演オファーがあり、冒頭 部分ではトリオでの演奏となっているのも興味深い時間でもありました。 即興の醍醐味は、いかに終われるか!?という部分でして、即興と題して行われている演奏や表現は多々ありますが、どうしても終わりを探る傾向が強いのを感じます。流れを探ったり少しでも作為が現れた瞬間、即興の神様は どこかに行ってしまうのだと思います。

今回、「やられた!」と強烈に思ったのは、娘が演奏を終えてその場を去っ て行ったのが分からなかったということでした。 「自分のタイミングで始めて、どこで終わってもいいよ!」とだけ伝えてあ り、合わせもしていない状況でもあり、本番で初めて完全即興の現場に入っ て、忍者の様に去り際すら感じさせずに消えるという、子どもの感性の豊か さには脱帽でもありました。

また、人前で演奏することはほぼ無いという小林さん(時期的に隠遁生活を した方がいい時期ということでTAKE-Kという名義になってます)は、どうみ ても玄人にしか見えず、その音も即興感覚も素晴らしかった!!! 祓う周波数の音叉もかなり鳴らしていたという話で、それぞれの音叉の持つ 周波数が知らず知らず、いろんな意味で全方位に効いているのを感じずには いられませんでした。 そして、自分の出す音のその先に音叉の周波数が連れていってくれる感覚 は、かなり不思議なものでした。 個人的には、Session04の銅鼓の音像が、死と再生を繰り返す如き、陰と陽 を統合していく儀式で鳴らされてきたであろう世界観が、強烈な倍音の共鳴 によって立ち現れた様に感じられたのが大きな収穫でした。 祓う音のライブ音源を、ラフミックスですがお楽しみいただけたら幸いで す。

夏越ノ大祓 2024 / Gaishi Ishizaka × TAKE-K + Imasu

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