Dragontone /石坂亥士

神楽太鼓奏者・石坂亥士のブログ

Shingetsu-Kagura Project vol.07. 88Session@清瀧山常福寺

Shingetsu-Kagura Project vol.07 2024.04.09.

自分の音楽の旅は、暗中模索の中20代前半から始まって行った。当初は、 尊敬できる音楽家の音源を聴いたり、ライブを見に行ったりして、影響を受 けつつもそこから得たインスピレーションを自分の音やスタイルに反映して いく作業に時間を費やしていたのを思い出します。 自分の実力のあるないは置いておいて、そんな尊敬できる音楽家の方と同じ 時代に生きて、セッションしたりしたかったなぁと言う想いがかなり強く湧 き上がっていたのも事実でした。 階段を一段ずつ登る様に、少しずつですが演奏の実力や経験値が増えてい き、淡々とやれることをやり続けていく日々を過ごして行った結果、いつの 頃からか演奏自体が音の根源的な在り方への旅だ思う様になっていきまし た。

そうなってくると、合わない人とは全く合わないのですが、「これ ぞ!!!」と思える凄腕のその道を極めた達人との出会いが、ありがたいか な稀にギフトの様に用意されているのです。

今回の音源は、正にそんな出会いの記録です。

~ 下記は2023年8月14日のブログ記事より転写 ~

 

今回は、なんと言っても銅鼓の音を殿さんの響きと試してみたかったので、ここのところ銅鼓をメインに構成している楽器の編成と、神楽太鼓と言う二つの音の世界を準備した。

神楽太鼓奏者と言ってはいるが、今生での自分の修行というか修練する必要があり、不得意なのが神楽太鼓と思っている。なので、毎回毎回、更なる精進が必要であり、常に上書きしていく感じでもあるのだ。

その反面、勝手に自分で感じているだけだが、金属系の楽器は不思議とツボがわかるというか、なんというかその世界観が掴みやすい氣がしていて、得意な部類になるのだ。

俺が銅鼓を持って行くことを知らせたら、殿さんは、青銅の剣と銅鏡を準備していた。銅鏡は4個あり、御本尊の前のスペースに4個がちょうど収まり良く置けるという奇跡的配置となり、鏡面を45度位にこちらに向けて鎮座していた。

始めようとしたら、上手い具合に3時の地域の時報が鳴り響き、その響きが終わってから88セッションが始まっていったのだった。

「まあ、1時間位ですかねぇ。」

ということで、その他の流れは決めることなく開始されたのだったが、お互いが、それぞれの世界観の中にあるわけなのだが、ほぼ同じ速度感というか同じ感覚の濃密な領域を共有しつつ、そして相乗効果もあり88セッションは、凄まじい音像が立ち上がり、不思議とその強烈な音像は宙へと上昇して行った感覚があった。

後から思えば、御本尊を前にしたあの音像が、あの銅鏡の角度によって宙へと昇華して行ったのではないかと・・・・。

そして、祈りが終わって行く時、空氣の密度と色が確実に変化したのがとにかく印象的だった。

今回の88セッションは、さまざまな祈りの要素と、めちゃくちゃ強力なエネルギーが渦巻いており、ひとことでは言い尽くせないので、いずれ形にしたいと強く感じる今日この頃である。

88 Session 宙へ / 殿元健照 × 石坂亥士 @ 清瀧山常福寺本堂

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後から知ったことですが、2023年の8月8日は、地球・オリオンベルト・シ リウスがそれぞれに一直線に並び、地球が銀河系の中心に配置されることに なるらしく、銀河系の溢れ出る壮大なエネルギーが地球に降り注ぐことで、 さまざまな影響がみられる日と言われているそうなのです。まさに言われて いることを肌で感じるセッションとなった音の記憶となりました。多重録音 は一切なしで、殿さんの胸元にピンマイクを装着してもらってのリアル録音 でした。実は、神楽太鼓演奏時の殿さんの声は、ほぼ聴こえない状態だ ったのですが、結果的にはお互いの濃密な信頼感で奇跡の調和となった のは、「本当に即興演奏家冥利に尽きる!」の一言です。殿元健照という男と同じ時代に生まれて本当に良かったと心から思っております。