Dragontone /石坂亥士

神楽太鼓奏者・石坂亥士のブログ

紅の亥・覚え書き

客入れの時から、舞台には紅の亥ねぷたが鎮座しており、開演と同時に俺が法螺貝を吹いて、インドのベル類を鳴らしながら雰囲気を作り、子どもたちが神輿の渡御の様に、その「紅の亥」ねぷたを運び出す。

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この「紅の亥」ねぷたは、ざくろさんが知人へ発注というか、ゴリ押し的に作っていただいたものなんだとか。。。さすがに還暦祝い公演だけに、気合いの入りようが半端じゃない!!!

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そして、ひいろちゃんのチアリーディング!!!!

これは、好感度抜群で、一気に会場は華やいだのだったが・・・。

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2曲目からは、ざくろさんと共に乱入!!!

人生には思いもよらない事が起きる!という見本の様な体験だったかもしれない。

まあ、最初で最後なことは間違いないだろうが。

祝祭ムードは、これで一気に急加速していった。

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決め所を決めるのがチアの醍醐味なのだろうが、50歳を前にしたおじさんが、そんな事できようはずもなく、違うポーズをする事に終止徹することにしたのである。

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しかし、一カ所だけの奇跡を狙って、8カウントのみ合わせるという、その場所が個人的なピークだったかもしれない。

勿論、その部分は合わせることができて、超!!!連帯感生まれたと勝手に思っているのであるが・・・。

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ざくろさんが、着替えの時間が必要ということで、ラストはひいろちゃんとのDUO。

人なつこい笑顔と、キレッキレの動きに救われ、二人でラストスパート。

と、そんな中、ひいろちゃんが側転をした。

じゃあ、と言う事で、俺は前廻りをした。

〜この時、即興演奏家的閃きが、一瞬、雷の様に身体に走り、気がついたらバク転をしていた 〜

普段から即興感覚を大切にしてはいるが、ほんの少しもやろうと思っていなかったものが、本番で出てしまうとうの素晴らしいのだが、やはりバク転はビックリだった。

20年以上ぶりのバク転。。。

身体も今のところ、不調な箇所は無いので、大丈夫と思われます。

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ざくろさんの「紅の亥」姿も、あっぱれ!!!

そして、父の謡の場面。

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草吉が銅鑼、俺が陶撃鼓で音風景を創ったところに真打ち登場と言う感じで入場。

昔は、もっと声にはりがあり音量もあった氣がするが、不思議にも、こえも張り上げず、淡々とした等身大の今回の謡が、とても良い感じだったと思えた。

孫と息子との共演は、本人的にもスリリングではありつつも、楽しめたのではないかと思う。

こんな三世代の共演ができるのも、ざくろさんの還暦の祝祭であるからなので、感謝であります。

同じ舞台に立って、同じ時間を共有するという事は、もの凄く濃密なことであり、大切なことなんだと改めて感じたのだった。

最後は、「ざくろ殿、還暦おめでとう〜、ございます〜!!!」で締めくくったのだった。
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総合格闘技の日本チャンピオンに何度も輝いた、足利の山田一彰くんが、弟さんを連れて参加してくれた。

彼とは、昨年の忘年会で、この話が出て、同じ亥年なので、

「これは、参加するしかないよねー!!!」

という飲み会の席での約束が実現。

なんだか嬉しかったなあ。

 

明らかに、他の参加者のみんなとは違う空気を漂わせて座っている二人。

そんな表立って出る彼らの空気感が、実は自分の内にある感覚と重なる部分が多い。

即興演奏も、その時に決まることがほとんどだ。これは、きっと格闘技も似ているはず。

山田くん曰く、格闘技の場合は、わざと隙を作って、そこに相手を誘い込むことがあるんだとか。

演奏や表現においては、技術があってセンスがあって経験があったとしても、その背景になんとなくユーモアというものがないと、魅力に欠ける氣がしてしまうのだ。

これは、若い時にはよくわからなかったことだが、この年まで一つのことを続けてくると、何かしら得るものもあるという感じなのである。

 

まあ、写真が全て物語ってくれている氣がする。

ぶれること無く、進んでいきたいもんである。

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[写真:須藤亜弥子]