4月15日は、春季例大祭本祭りでの神楽の上演を終えた後からがなかなかにハードだった。
その日の深夜、友人の小林さんと京都を目指して出発したのでありました。
うちの神楽では、神前に奉納されたお酒を、「白黒翁三番叟」の奉納が終えてから、「さんばのお神酒」と言って、必ず全員が飲む風習が残っている。それは、「白黒翁三番叟」と言う舞台清めの舞のエネルギーが転写されたお神酒なので、飲めない人も少しだけでも口にして、このお祭りの間中無事に守ってもらう意味があるとも言われている。
毎回思うのだが、なんてことない日本酒でも美味しく感じるので、かなり不思議なことだと思えてならない。御神氣が入ってお酒が変容しているのかもしれない。
そんな、さんばのお神酒を少し多めに飲んでしまったこともあり、最初は小林さんに運転してもらうことになった次第だ。
二人運転手が居ると、かなりスムーズに移動距離を稼ぐことができ、それぞれの疲労度は劇的に軽減される。京都へは予定よりも早目に到着することができたので、目的地近くの温泉を見つけてそこで休憩することにした。
ここが、かなり良い感じだった、不動温泉!!!
古の温泉でもあり、その花崗岩から湧き出る霊泉は、でラジウム鉱泉とのことでもろもろの効能があるそうだ。
びっくりしたのは、最初に入って行くと、貫禄あるおかみさんが、「初めてですすか!?まあ、こちらへどうぞ!!!」と言う具合に座敷の一つのテーブルに案内される。
「ここが、あなた方のテーブルですから、温泉に入って、ここで休むななりご飯を注文するなりしてくださいね!」と言って、温泉の効能を歌い上げるが如く口上してくれる。
温泉だけ入る場合は、その場で会計だが、ご飯を食べると言うと後会計となる仕組みらしい。
ここで、昼寝もできて、かなり身体を休めることができたのだった。
そして、向かったのは京都某所の秘密基地的U氏のお宅。
明日に控えた、サヌカイトとチェロのコンサートの前に、台を組んでどのサヌカイトを使うか土取さんにチェックしてもらうことになっていたのである。
このサヌカイトのプロジェクトに関わる人間は、でしゃばる人がいなくて、穏やかな水の流れの様な雰囲氣がするのが不思議だ。
土取さんがサヌカイトを叩くと、走馬灯の様に浜辺で聴いた音律が蘇って来る!!!
音の持つ記憶というのは、素晴らしく深い部分に刻み込まれているんだなあと、しみじみ感じ入った。
共演するエリックさんとは旧知の中と来ている。このサヌカイトとチェロの組み合わせは、サヌカイトという古代の音率と、チェロという現代稀に見る心にまで染み込んでくる人類創造の究極の楽器による音で時空を超越していく行為だと思えるのである。
そんな事件を目撃できるのは、きっと今回より他にはないだろう。
きな臭い世界情勢の今、あえてこの音の融合と解脱が必要な様に思えてならない。