Dragontone /石坂亥士

神楽太鼓奏者・石坂亥士のブログ

立春大吉の音感覚

 立春大吉ソロライブを無事に終えることができ、これから新たな流れが始まっていく予感がしている。

有鄰館煉瓦蔵という場所は、会場が長細いので音の響きというか回り方のイメージをしにくい空間だ。

会場に行ってみると何故かドライアイスが・・・。

関わるスタッフ各人が、それぞれ積極的に関わってくれるので、何が起きるのか、本番まで分からないというのが、とても楽しいところなのでもある。

準備段階から記録してくれているので、当日を振り返るのに、この写真がもの凄く役立つので、本当にありがたい限りである。

[写真/須藤亜弥子]

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公演を創っていく上で、大切なことは、人に任せたら、任せ切るというのが、一番良い結果をもたらしてくれるということだ。勿論、信頼のできる仲間ありきではある。

その意味においては、仲間に恵まれて、演奏に集中することができるのは、本当にありがたい限りだ。

そんな仲間で、ひとつの空間を創っていくのは、表には出ないが、ひとつの公演のようでもある。そんな時間がとても好きだなあ、と思う。

みんなが生き生きと楽しんで動いている空間は、本当に気持ちの良い空気が流れている。
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奥行があるので、一番奥に韓国のプクを設置する。この太鼓の奏法は、金在徹先生という、韓国の山岳武術も極めつつ音楽も桁違いに凄い、知る人ぞ知る達人から少しだけ習ったものだ。

金在徹先生の一撃は、もの凄い打音とあり得ないほどの速さで天まで立ち昇っていく!!!

まさに、太鼓の一撃で雨雲を呼んでくる様な感覚だ。

そんな先生の打法を追い求めつつ、今回は、あの世とこの世の境界線を行き来する様なイメージの世界から始めることにしたのだった。

普段は、ほぼ人前では使わないこのプクの音、俺の演奏を聴く機会の多い友人からは、「あれは一体どういうこと!?反則技でしょ!」と言われるほどに、会場の空気を変えたらしい。f:id:dragontone:20200211225808j:image

ウェルカムドリンクの立春大吉ブレンドは、伊東屋珈琲さんにお願いして焙煎していただいたもの。そして、少しだけ珈琲も販売!!!

これは、本当にありがたく、幸せな気持ちが倍増である。

伊東屋珈琲さんのサイト

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そして、今回の祭壇は結果的にシンプルだが濃いものとなった。この瑪瑙の石は祖父が文字を書く時に文鎮代わりに使っていたもの。ふっと目に入り、今回持ってくることにしたもの。
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コンドル型の土笛は、コロンビアの山岳民族が神の交信に使うものなんだとか。登場しながらこの土笛を吹き、祭壇に鎮座してもらった。くぐもった風の様な柔らかい音が、神秘的なこの笛は、メキシコツアーに行った時に演奏を聴いた、メキシコ人ダンサーがくれたもの。

バリで特注したグンタという鐘は、音を響かせると、なんとそれ自体がマントラの効果を発動するというもの。一瞬にして空間が整ってしまう代物。
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白い珊瑚でできた石笛は、石垣島に初めて行った時に、やけに気の合う姉さんの様な存在でもある、はっちゃんが海で見つけてくれたもの。その時、海の神様に許可をもらっていただいたから、持って行って!と渡してくれたので、その時記憶がとても印象的で、いつも見える所に置いていて、今回、何故か「連れて行きなさい!」と言われた感じがあるのである。下の写真のみ自分で撮ったものなので、画質の差が・・・。

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衣装は、usaatoのさとううさぶろうさんが、2018年の年末にライブをした時に、「イメージできたので、衣装作りました!」と俺のために作ってくれたもので、その時以来の二度目となる登場。

着てみて思うが、着心地と見え方のバランスが絶妙だなあと思う。

そして、アイロンをかけている時から、天然染の良い香りが立ち上り、儀式の場所にある様な感覚になってくる。

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良い楽器は、おそらく演奏者を良い方向に導いてくれるのだと思うのである。

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この羯鼓や大銅鑼も神楽太鼓も、誰から教わったわけではないが、音によって育ててもらっている氣がする。
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楽器自身が、良い音を響かせたいので、俺を育てているのかもしれない。
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立春大吉ソロライブを無事に終えることができ、本当にありがたい限りである。

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今回は、赤城神社でいただいてきた御神水を、この龍の彫られたシンギングボウルに入れて、そこにバリの尊敬する高僧さまからいただいた聖水をブレンドして、音を響かせてから身を清めた。

出来上がった水が凄かった!顔を清めたら、今までに感じたことの無いシャキーン!!!という感覚で、今年の水は凄いなぁ!とビックリしたのだった。

そんな水ですった墨で書いた立春大吉は、例年になく筆が走らずに、一文字ずつ墨をつけないと書けないほどに、墨が紙に吸い込まれていく。

凄い水分なので、あえて多目に紙に吸い込まれたのかな!?と思いつつ、だいぶ時間がかかったが、書き上げることができ、来てくれたみなさんにお札を渡すことができた。

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継続は力なりで、10年を経過して、立春大吉ソロライブは、群馬においては、春を迎える通過儀礼に育ってきた感覚である。

来年も2月4日に、有鄰館で音を響かせたいと思っている。