Dragontone /石坂亥士

神楽太鼓奏者・石坂亥士のブログ

見えない大きな繋がりを感じつつ

ここ数年、豊島区の某中学校に「伝統文化の継承・・・・。」という感じのワークショップをやりに行っている。

最初は、芸術家とこどもたちのコーディネートで2年生全員に対してミニライブ+体験ワークショップだった。

翌年からは、担当の先生から直接連絡がきて、ワークショップが行われてきていたのだった。

それが、今年から伝統文化系の予算が出なくなったとかで、芸術家とこどもたちのコーディネートで、ワークショップができる運びとなったのだった。

活動を知る | 芸術家と子どもたち アーティストと子どもたちの架け橋に

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50分の時間で、中学2年生が3クラスなので、人口密度は非常に濃い状態である。ちょうど、微妙に反抗期っぽい時期かもしれないが、まあ、たまに来る身の俺としては、そんなことは関係ないわけだ。

子どもたちが集まったら、会場へ突入していく。トーキングドラムと亀の甲羅と亀マラカスに馬鈴を下げて、とりあえず元気のありそうな男子の所へ行く。というか、自然とそうなる流れがあるのである。

勿論、これも即興的な感覚からきているもので、どこに行っても基本的には即興感覚で対応していくわけである。

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楽しい時間を共有するだけなので、お互いに心はオープンな状態になる。おそらく、いろいろな民族楽器が良い方向に導いてくれている氣がしてならない。

珍しくも、神楽太鼓も持ち込んでクラスごとの即興セッションもやってみたが、これが、また各クラスのカラーが出て、とても興味深いものだった。

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そんな豊島区の中学生ワークショップの後は、同じ豊島区にある勝林寺へ。

以前ライブをやらせていただいたことがあり、今回のソロライブの案内を送ったところ、ライブ会場となる求道会館を設計した武田五一さんが勝林寺に眠っているとのご連絡をいただき、これは何か良いタイミングと思い、久々に会いに行くことにしたのだ。

先代のご住職が亡くなられて代替わりし、お寺も大々的に建て替えたとのことで、以前とはまるで違った趣となっていた。

 

窪田充栄さんがご住職となり、勝林寺は新たな一歩を踏み出していた。誰もが気軽に集うことができるお寺として、禅の心を体験できる寺子屋や、障害を持ったお子さんとその家族を支えるグリーフケアにも取り組んでいるという。

 

充栄さんと、開かれたお寺のあり方や、お互いの近況なども話をして、久々の再会を喜び合ったのだった。

 

ご本尊の釈迦如来座像は、平安時代前期に造られたという、関東では最も古いものらしく、存在感は半端じゃない!!!

新築されたの本堂にあっても、釈迦如来座像を中心に、その空間はやけに落ち着きがあり、平安時代の祈りの空気感を、今の時代に受け継いでいるような氣がしてしまう。

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そのご本尊の真下が納骨堂となっている。やけに落ち着く空間だった。せっかくなので、ソルフェジオガンクとグンタで、納骨堂に響きを届けさせてもらった。

静寂という言葉が本当にピッタリする空間。納骨堂に一人きりで、約40分ほどの演奏をしていた。。。。

あっという間に時間が経った感じだったが、ゆったりとした音の響きの余韻まで繊細に聴き取れるという、静寂の世界・・・。

先日、あの世とこの世を繋ぐ音があるという話を聞いた。

まさにそんな音の世界だった様で、自分の中でも、また新たな感覚が芽生えた。

 

ソロライブ前に、求道会館を設計された武田五一さんの眠るお寺で、音を響かせることができたのも、なにか非常に意味のあることだったと思うのである。

東京豊島区駒込 勝林寺 - しょうりんじ