Dragontone /石坂亥士

神楽太鼓奏者・石坂亥士のブログ

最初の家庭菜園の今・・・

今日は、夕陽が綺麗だった。ちょうど、久しぶりに最初に借りた家庭菜園へ行ってみた。

久しぶりということもあったが、何故か今までと違う印象を受けた。

旧暦8月1日近辺で蒔いた大根が、かなりの勢いを持っていて存在感があったのだ!!!

なんとなく野性味が強くなっている様な不思議な感覚だった。

昨日行った、2番目に借りたばら蒔きの場所とは違って、ここはピンポイントで蒔いているので、それぞれが自分のスペースを確保していて、伸び伸び成長しているのもある。

蒔いてないチンゲンサイも生えていたり、それぞれ適度に良いバランスで、上手いこと成長しているのだ。耕さずに肥料も入れずに実験的にやっているので、今年の夏野菜は壊滅的だったが、秋野菜はかなり良いと思える。

沢庵用に作っている大根なので、これから引き抜いて干すのも楽しみなのである。

手をかけるのも大切だと思うが、ある程度放っておくというのも意味あるのかもしれないと思えるほど、大根の葉っぱの勢いが凄い!!!

何もしていないが、コンフリは畑の帝王的に生い茂っている。

雑草と大根のバランスが絶妙で、自分としては、かなり良い雰囲氣だと思える。

また、明るい時によく観察してみたいところである。

 

奥能登奉納の記録映像

怒涛の奥能登ツアーでの、映像がアップされました。

三輪福さんとの、火熾しの御神事での奉納と天日蔭比咩神社での特別奉納・産霊- musuhi -の記録映像は、いつもフライヤーをデザインしてくれている西原直紀くんの撮影編集によるものです。

彼独特なデザイナー目線で、それぞれの場所を切り取っているのが、とても興味深いところです。

お時間ある時に、是非ご覧ください!!!

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5本脚のカメムシと拝みジョウロの時空

たまたま見つけたカメムシ。模様が綺麗なので撮ってみた。

後でジックリ見てみたら、なんと5本脚だった。

しかし、立派な甲の模様は素敵なもんで、そのデザインや造形美はいつ見ても見惚れてしまう。

カメムシは、デザイン的に興味をそそられるものが多いので、見る分にはとても楽しめる存在だ。

そして、次の朝起きて外へ出てみると、何やら見慣れない存在が・・・

朝露の湿り氣にも動じる事なく、全く動かない茶色いカマキリだった。あまりの動かなさに、しばらく観察させてもらう。

勿論生きていて、獲物を待っているに違いないのだが、そのあまりにも静かな内面の状態が、達人的でもあった。

身体を静止させることの極意が、この朝のカマキリに凝縮されている様にも感じられ、自然の中に身をおくことの大切さに感じ入った時間でもあった。

近くへ行ってみると、眼球のみはこちらを見ているのだ!!!

しかし、微動打にもせず静止姿勢はキープされている。風が吹けば、有機的に絶妙な揺れ加減で空氣の流れに身を任せるのは流石の一言だった。

こんな感じの茶色いカマキリを、地元では拝みジョウロと呼んでいた。ただ、このカマキリよりももっと小さいものだったが、緑のカマキリよりも確実に凄みがある。

よく見ると、羽が少し負傷しているが、これ位は問題ないんだろう。

勝手な妄想を膨らませて、朝のカマキリ観察を楽しんだのだった。

久しぶりに畑に行くと、ばら蒔きの野菜たちは、着実に成長をしていて嬉しい再会だった。

そして、ここでは綺麗な女郎蜘蛛との遭遇となった。

子どもの頃から馴染みのある女郎蜘蛛だが、最近は、以前ほど見かけない氣がする。

自然界においても、黄色に黒は危険な存在という印象だ。女郎蜘蛛は、そこに赤が入るスペシャルなのである。

しかし、よくこの造形となっているもんだなあ、と感心するばかりだ。

一方、畑では大根や野沢菜、赤かぶがかなり良い感じに育っている。

ばら蒔きなので、これから間引きして行くのがちょっと工夫がいるが、これだけ育ってくれると嬉しいもんだ。

実は、昨年よりもイメージをして面白く蒔いたので、その効果が出ている様で、秋のばら蒔きのコツが多少掴めてきた感覚なのだ。

自分にしか分からないが、かなり嬉しいばら蒔き体験が2年目に突入しているのである。

子どもが抜くのにちょうど良いサイズの大根なので、抜くのが楽しくて仕方ないらしい。

洗って水切りしているだけだが、自己満足度はかなり高いのである!!!

野菜を洗っていたら、近所の方が話しかけてくれて、その方の故郷山形の漬物のやり方を教わることができたのもラッキーだった。

野菜が育ってくる年末は、氣持ちを漬物へとシフトしていかなければならないのである。

 

えびす太鼓という奉納のカタチ

久々となる、この神楽殿。桐生西宮神社の祭禮となっているゑびす講だが、実は、美和神社という延喜式内社の境内社なのだ。なので、この神楽殿は美和神社の神楽殿という事になるわけなのである。

延喜式内社というのは、それぞれの県に十二社あって、桐生には俺が神楽師をしている賀茂神社とこの美和神社があり、同じ市に二つもあるのである。

ありがたいことに、えびす太鼓の奉納演奏をやらせてもらっていることで、そのふたつの神社の神楽殿に立てているという奇跡なのである。

それも、賀茂神社では伝統芸能の神楽の舞手と囃子方として、そして、この美和神社では自分の即興のスタイルでやらせてもらえるのである。

この神楽殿は、それほど古くない様で、舞台の板がしっかりしていて、よく響くのだ。人の目線よりも少し高くなるので、そこで演奏することで、人の視線は無関係となる仕掛けなのかもしれない。

なので、より音や舞に集中できるのかもしれない。

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えびす太鼓も今年で22年目となり、子どもも福まきに参加することになったので、なかなか良い雰囲氣だった。

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この写真は、ライブの時に音響をしてくれている金子さんが、撮ってくれものだ。

実はこの日、なんとなく細い枝のばちを使ってみたくなり、庭の欅の枝で作ったものを使ったら、金子さんが「ん!?いつもと音が違うぞ!」とこれは撮っておかねばという事で撮ったらしい。

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これが、その現場写真。これは、たまたま来ていた舞台監督の高峯くんが撮ったもの。ライブ関係者での撮り合いが勃発していて、妙なことになっていた。
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福まきは、子どもがまくことで、とても和やかにも感じられ、20年という年月が良い様にそのカタチを整えてくれるもんだなあ、と感心したのだった。伝統芸能というのは、この様にして積み重ねられていくのかもしれないと思えた22年目のえびす太鼓の奉納でありました。
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四回目の最後は、雨が降り出して、かなりしっとりした空氣だったが、神楽太鼓は一番深い部分まで鳴り響いていた印象だったなあ。

来年も、この神楽殿に神楽太鼓の音色を響かせたいもんである。

Beyond the Spiral Groove/螺旋のグルーブの彼方へ

11月18日は、本所地域プラザBIG SHIPでのソロライブだった。

思いつく楽器をとりあえず車に積んで行ったのだが、だいぶ車に残して、4つのセットに落ち着いたのだった。

[写真:須藤亜弥子]
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このプクッは、かなり深い音が鳴る。プクッという太鼓は、韓国の太鼓で、雲が湧いてくる音を現しているという。

厚い皮なので、相当にクリアに打ち下ろさなければ、この太鼓の本当の鳴りは出ない。

打ち下ろした音は、空まで瞬時に昇っていく!

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BIG SHIPのホールは、響きが良いので、リムショットがとにかく効果的に響く。

バチの残像が、かなりの達人感を演出してくれていてありがたい!

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土取さんから借りた呉鼓も鳴らしてみた。撃鼓とも呼ばれるこの太鼓、「スカーンッ!」と、氣持ち良く空間に響いていく。中世の頃に、伎楽と共に日本にやって来たこの太鼓の響きは、適度な余韻の効果と氣持ち良く炸裂する打音によって、幻想的な雰囲氣が醸し出されていた。
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そして、今回どうしても使いたかったのが、この大きなジンベだ。通常33センチあたりがメインとされているところ、38センチの口径から放たれる超重低音は、あり得ない振動となって会場の空氣を震わせていた。

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首から下げているのは、メキシコのデスフルートという、風の様な音がするものだ。

この笛を吹くと、空氣が一変するほどの効果があり、小さいがかなりの代物なのである。

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6個の小さいゴングのボナンを大銅鑼の下にセットして、チャイナシンバルと平太鼓も追加して、シンギングホールも仲間に入れてみた。

このセットの可能性は未知で、これからもっと追求していきたいところだ。

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トラックの板バネが、素晴らしいアクセントになっていたのが嬉しかった!!!

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ラストは神楽太鼓だ。グンタから始まり、暖氣運転をする様に、ゆったりと神楽太鼓が鳴り始めていった。
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毎回思うのだが、神楽太鼓の音色は素敵なのである。それをどれだけ引き出せるかは、自分次第なのだ。
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神楽太鼓は、やはり乗り物のようでもあり、時空間を自由に行き来している様な感覚だ。

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[上の写真:西原直紀]
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神楽太鼓の時空の旅は、熱海から奥能登を回り、天日蔭比咩神社での奉納演奏を経て、日光での香川大介くんとのセッションで経験した、不思議な感覚。

全てが、絶妙なタイミングで引き合っての、このソロライブとなったのだった。
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手応えは充分あり、次の段階の音の探求が始まる予感である。
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冒頭シーンは、久々にこの韓国のシャーマンの鈴を持って登場してみた。

鈴の持っている呪力を再確認できたのも、今回の大きな収穫だった。

ご来場いただいたみなさんをはじめ、配信で参加してくれたみなさん、スタッフのみんなに心より感謝です。

次のライブが、今から楽しみで仕方ない!!!
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打ち上げ会場へ移動する道すがら、いきなりスカイツリーが出現!!!

夜のスカイツリーはかなり、妖艶な姿にも見えたのだった。

 

えびす太鼓解禁!!!

2022年は、再開の年となる様で、えびす太鼓も2年ぶりに再開することになった。

もう今日となるが、20日は、1時30分、3時、5時、7時30分頃の4回も奉納演奏するのである。

2001年から始まった、このえびす太鼓という新たなスタイルの即興奉納演奏は、20年の節目の時には、コロナ騒動で中止の判断が下されてしまった。とても残念だったので、自分で有鄰館の酒蔵を借りて、えびす太鼓として演奏したのだった。

そして、昨年も中止。。。

なので、この神楽殿でのえびす太鼓としては、今回が20回目となるので、ある意味20周年と言ってもいいかもしれない。

自分が楽しめる奉納の形を積極的に模索してみたいと思っております。

運が良ければ、神楽殿でお会いしましょう!

kiryu-ebisu.jp

 

「 火 」石坂亥士×香川大介

やはり、全てにおいてタイミングというものはある。

今回の香川大介くんとのセッションは、まさにそれだった!!!

この機会が実現できたことに感謝をしつつ、普段の演奏の時には無い感覚を覚えたので、忘却録として記しておきたい。

現地に行ってみて驚いたのは、とにかく牧歌空間というスペースの素晴らしさだった!!!

そして更に驚かされたのは、個人宅とのことで、香川くんと親交の深い沼尾さんという方のお家なのだというではないか!!!

そして、今回が初めて公に開放しての展覧会とのことだった。

香川くんのこれまでの作品がかなりの点数飾られており、圧巻の一言。彼の作品ひとつでも充分にその独自の世界観に浸ることができるが、これだけ多くの作品が同時に存在している場所は、ある種居心地の良い異次元空間でもあった。

とにかく、大好きなアーティストなので、これらの作品を実際に見ることができただけでも、かなりの満足度だった。

熱海へ出発したに日に、たまたま香川大介展の記事が目に飛び込んできた。毎日一枚の絵を描くことになっているようで、よく見るとライブも設定されていて、ライブの音で彼が絵を描くというのも、とても興味深かったのだ。会期が始まっているので、通常ではあり得ない事だと思うが、どうしても俺も彼とその場を共にしてみたくなってしまったのだ!!!

自分の空いている日が12日だったので、とにかく連絡をとってみたところ、ちょうど、その週は何もなかったので、どうしようか!?と牧歌空間のオーナーさんと話をしていたところだったらしく、渡りに船ということで、急遽実現したのだった。

ちょうど奥能登での火熾し神事での奉納の流れからの、12日のテーマも「火」というなんとも見えない流れを感じずにはいられないことになったのだった。

お互いが、「火」をテーマにその場に立つ。

プクッの演奏が終わった後は、香川くんが描いている様子はほぼ見ないでの演奏が、とにかく今まで感じたことのない音が生まれる感覚だった。

音が、本当に乗り物と感じられる様な感覚で、緩急を繰り返しつつ「火」をテーマに練り上がっていく。

不思議なのは、香川くんが絵を描いていることで、音ではないが、確実にセッションをしている空氣感がその場に満ちていくのを感じ、自分自身も音の深い部分へ旅をしているかの如きだったのだ。

香川くんも、また普段とは違った不思議な感覚を覚えていたとのことで、これは、やはり二人でのセッションだからこそ生まれる世界なのだろう。

彼の絵の世界観と自分の音の世界観が共有できるぶぶんが存在してることを確信したセッションとなりました。

当日は、仕上がらずに後日加筆されて、ほぼ出来上がった「火」の絵。

自分の音も含め、様々なモノが凝縮しているのが感じ取れ、とにかく魅入ってしまう。

実は、17日の昨日も行ってしまったのだ。完全にプライベートセッションとして、「空」をテーマにやらせてもらったのだ!!!

出来上がった絵「空」。

音は消えゆくが、絵は見える。音が視覚と共にある画面は、視覚的にも深く、深い部分には音が潜んでいる氣配がする。

今後も、香川くんとの世界を探究したいと思うのである。

展覧会は、20日まで開催されているので、この機会に、是非実物を見てみてください!!!