群馬県において、妙義神社ほど厳格な空氣に満ちている神社は他にはないだろう。
そんな妙義神社のお祭りに関わることができるのは、本当にありがたい限りだ。
10月8日のお祭り当日は、前日の雨も止んで空も祝福してくれているようだった。
この氣の流れの凄まじい場所に祭壇が設けられ、天空の社祈願祭が執り行われるのだ!!!
いつもながらに素敵な祭壇を見て、とても清々しい氣持ちになる。
巨木の切り株が舞台となっていて、これも素晴らしい設えだ。
天空の社とは、妙義神社という名前の星が生まれたことで始まったお祭りで、遥か遠くに輝く星に祈願をするという粋な内容なのだ。
この巨木も相当な高さで聳え立っていたはずなので、その天へと上る巨大なエネルギーに抱かれながらの演奏は、意識は完全に星にリンクしていくのが不思議で仕方ない。
お供えものの金平糖が、ガラスの入れ物に入れられて上げられているのが、なんともかわいくて素敵だなぁと思ってしまう。
これと同じ金平糖が、参列した方々へ剣の舞をして場の清めをしてくれた巫女さんから配ってもらえるのも、このお祭りの魅力でもある。
この壺の中には、年間を通じて書かれた願い事が供えられているのだ。
御神事の冒頭部分で、神様を呼ぶという宮司さんの尋常ならざる凄まじい「警蹕」が、場所ごと異空間へと誘っていく様だった。時空がよじれるというのは、こんな感覚かもしれないとさえ思えるものだった。
その後、祝詞が唱えられ、続いて巫女さんの真剣の舞だった。短い時間だったが、かなりの密度で繰り広げられるその舞は、とても素晴らしく、正に場所を清めたり祓ったりすることができるに違いないものだった。真剣を抜いて一連の舞いを終え、しばらく剣先を鞘に入れて舞うシーンがあり、最後に「カシャッ!!!」と鞘に収める音が鳴り響き、舞いが終わったのだったが、その鞘に刀を収める音で、完全にその場が一氣に締めくくられたのだ。
その後、鈴の音で祓うとされる鈴祓いがあり、次に俺の奉納演奏になった。
その時の写真はないが、いずれ短い映像は紹介できるかと思うので、お待ちいただきたい。
終わった後に、宮司さんと「警蹕」ことを話したら、上手くいった時は警蹕が終わると風が「スーッ」と吹いてきたりするんですよ!とおっしゃっていた。
勿論、終わる時にも神様に帰っていただくための警蹕をするのだが、それが終わると場所が元に戻った感覚があるのは、やはり凄まじいの一言だった。
今回のスタッフは、かなりの個性派揃いとなったが、全然性格や職業も違うのだが、三人並ぶと、同じ雰囲氣を漂わせているのにびっくりだ。
お昼がご飯をご馳走になった後、祈願祭を行った場所の上の方にある神殿で、奉納演奏をやらせていただいた。個人的に、この金色の対になっている龍が大好きなので、ここで神楽太鼓を演奏できる幸せと言ったら計り知れないのである。
長年、付き合ってくれているだけに、神楽太鼓を前に座ってもかなり良い感じの高橋さん。
いつ見ても、吸い込まれる様に素晴らし存在感である。
この金の龍に見護ってもらって演奏できるのは、本当にありがたい限りだ。
神殿での奉納演奏を終えて、戻ってきたら、午前中の祭りの場所は、何もなかったかの様に、とても静かな空間が広がっていた。
子どもたちも見に来てくれて、境内で遊び回っていたが、生活の中に太鼓の音があるというのは、まあまあ楽しいのではないかと思えるのである。
俺としては運びにくいのだが、太鼓を運んでくれるという意気込みは素晴らしい。
鳥居の根元に鎮座する狛犬くんに、ついつい毎回目が行ってしまうのは何故なんだろうか・・・。
妙義神社の神様をはじめ、宮司さん関係者の皆さん、参列された皆さん、スタッフのみんなに感謝をこめて、ここに記録記事をアップさせてもらいます。
天空の社祈願祭は、毎年10月8日の11時からということが決まったので、来年も10月8日は神楽太鼓を持って、妙義神社に来るということなのである。