Dragontone /石坂亥士

神楽太鼓奏者・石坂亥士のブログ

追悼の音を運ぶ

土取さんが、坂田明さんと梅津和時さんに声をかけて、近藤等則さんの3回忌の追悼ライブが10月17日の命日に、新宿PITINNで行われた。

俺は、この時ドラムセット類を運ぶスタッフとして裏方として参加させてもらったのだ。

近藤さんは、PITINNの配信の件に異を唱えて出演しなかった経緯があるが、土取さんもその事は承知していて、一部の冒頭シーンのみで近藤さんのエレクトリックトランペットのソロ音源が流れ、そこに土取さんのジンべのソロから入り、近藤さんとのラストセッションを噛み締めている様な始まりとなった印象だった。5分を過ぎたあたりからだったろうか坂田さんと梅津さんのサックスが加わり始めた。

その音は、近藤さんの音を引き立てている様でもあり、寄り添う様でもあり、通常のセッションとも、バックトラックを使った演奏とも違う、なんとも神聖な世界観が広がっていた様に感じられた。

表に立つ人間にとっては、やはり人前で一つの区切りをつけるということが必要なんだとも感じられ、会場には、近藤さんの奥さんと二人の息子さんも来ていたのが、三回忌という節目的な意味合いを強く感じることになったのだとも思うのだ。

10分ほどで、近藤さんの曲は終わっていった。次の瞬間から三人のフリーのアクセルが急速に踏み込まれて、一氣に怒涛の音圧とグルーブが渦巻いていったのだ。

個性の強い3人だが、相性はバッチリだった様で、ドラムを真ん中にしてツインのサックスの破壊力というか浸透力というか、物凄い音がシャワーの様に降り注いだ感じでもあった。

一部の終わりに、3人でのトークがあったが、土取さんは思い出が沢山あり・・・という感じだったが、坂田さんの近藤さんと初めて会った時の話が面白かった!!!

 

坂田さんが、代々木公園の歩道橋の下で練習してた時に、近藤さんがやって来て「おっ!いい音してるな!!!」と、「なんだよお前は!?」と思った坂田さんが「今度、山下洋輔さん所にに入るんだよ!」と言うと。

「あっ、洋輔さん!!!」と非常に親しげな態度で、「度肝を抜かれて、近藤には参りましたよ・・・」と。

 

そして、梅津さんは、近藤さんと土取さんの演奏を聴いて、「ここには俺のサックスが必要だ!」とライブの時にサックスを持って行って参加したのが始まりだっとか・・・。

熱い時代の話が、とても刺激だったし、3人から聞く近藤さんのお話が、とにかく破天荒な存在だったというのを改めて感じた夜となりました。

その夜は、自分が演奏しているわけではないのに、やけに疲れたというかなんというか、帰宅途中のサービスエリアで、ちょっと横になったら、なんと午前3時を回っていたという始末・・・。

一緒に来ていた友人は、ラーメンを食べてハイボールを飲んで、氣がついたら朝だったそうで、かなり音の密度が濃かったということかなあ、と推測しております。

マスター3人での追悼の音となると、相当聴いて効いてしまうということだろう。

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所変わって、22日は新潟市の蔵織というスペースでのソロだった。ここは、間章さん縁の志賀さんが主催してのライブだ。実は、近藤さんと土取さんのDUOで呼ぼうと思っていたところ、近藤さんが亡くなってしまい、土取さんにソロでのオファーがきたのだ。

「とりあえず、新潟裏観光へ案内するよ!」と。

少し走ると、「ここが、横田さんが拉致された現場!!!」

「えっ・・・・・・・・・・・。」

と思えば、すぐ近くに日本海が。

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「ここが、間章の実家があった場所!」と、地元ならではの情報網なので、かなり詳細にご案内いただいたのだった。f:id:dragontone:20221102010635j:image

あり得ないかな、20人限定という贅沢なライブ!!!

広くはないが、ちょうど良い空間で、響きがとても良かった印象だった。

土取さんのドラミングは、凄まじかった!!!

ジンべソロは、もうての動きが細か過ぎて圧巻!!!

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ドラミングは、ミルフォードが背後にいるかの如きで、圧巻そのものだった。東京での近藤さんの追悼から、新潟では必然的な流れで、ミルフォードの追悼の音となった様に、個人的には感じてしまったなぁ。

このドラミングは、14分の長尺ですが、必見!!!

youtu.be

この貴重な機会に立ち合うことができたことに、感謝しつつ、これからの音の追求に活かしていきたいと思う。