Dragontone /石坂亥士

神楽太鼓奏者・石坂亥士のブログ

流れのままに

11月5日に、香川県多度津町空海ゆかりの屏風ケ浦海岸寺で開催された、空海の生誕1250年を祝っての特別公演「三教指帰」は、かなりの濃密な内容となった。

土取さんがプロデューサーとして、一年前から準備を進めてこの日を迎えたわけなので、かなりの深い部分まで掘り下げた公演なことは間違いない。

オープニングで松田美緒さんが歌う玉依御前のうたは、透明感を持って海岸寺の太師堂に浸透して行った。

神楽の世界と真言密教の世界が融合すべく、俺は、第一部の祝奏の最初に出演となった。真言宗の僧侶四名に囲まれるカタチの奉納演奏は、声明の唱えられる中、神楽太鼓で場を融合していく感覚だった。

僧侶の方々の唱える声明の響きの中に、神楽太鼓の打音を空間に置いていく作業のようでもあって、とても楽しくもあり意味のある時間だった。(写真は、土取さんのfacebookより)

その後は、空海の時代に渡来した雅楽の演奏があり、1部の祝奏は華やかなうちに幕を閉じたのだった。

2部の祝演は、もう圧巻だった。適材適所とはこのこと!!!

という風で、安田さんの能の世界観と奥津さんの狂言方のコミカルな言い回しは阿吽の呼吸で、会場を惹きつけたかと思うと、いとうせいこうさん演じる放蕩息子の普通の日常会話の様な親近感ある台詞が会場の笑いを誘い、その全体を土取さんの音が包み込むように異次元へと誘うという具合だった。

これほどに凄まじいクオリティの高い公演が、空海生誕1250年の節目の年に開催されたことは、今後伝説になるのではないかとさえ思えてしまう。

そして、その公演に少しでも関わることができたことに感謝であります。

今後、映像作品として販売も予定があるそうなので、そちらも楽しみにしていただきたい。

四国での大仕事を終えて向かった先は、広島だった。8月にもお邪魔した、府中市常福寺だ。せっかく近くまで行っているので、殿さんとの3度目となる音魂響き合わせをやらせてもらったのだ!!!

常福寺真言宗のお寺なので、空海とはバリバリ関係ありありということもあって、個人的には、殿さんと俺の二人での空海生誕1250年祭という意味もあったのだ。

殿さんとの祈りは、即興セッションと同じく、何も決めないで始まっていく。それは、お互いに知る由もない未知の音像でもあると思っている。

今回も、新たな祈りの音像が常福寺に出現したのでありました。お互い自由に、何も決めない。居るようで、なかなか出会うことのできない、魂の響きを共有できる友に心より感謝であります!!!

所変わって、次の目的地は富山県利賀村瞑想の郷。俺のバリツアーを企画してくれている、友人のちえちゃんが、そこで受付の仕事をしているとのことで、寄ることになっていたのだったが・・・・。

なんと、そこに殿さんも合流することになったのだ!!!

 

ネパールの僧侶の方が描いたという巨大な曼陀羅の展示スペースで、再び殿さんと祈りのセッションが始まることになったのだ。

(以下写真:イタル)

曼陀羅のエネルギーなのか、スペースの造りなのか、ここでの響きは、今まで体験したことのない強烈なる静寂感だった。

まさか、こんなスペースでの共演があるとは、お互いに本当に驚きだった。

嬉しいことに、来春、二人でまたここに行くことになりそうだ。

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