「浜辺のサヌカイト」〜いのちの海に捧げるサウンドレクイエム〜のプロジェクトが始まる前から、関わらせてもらっており、その撮影が無事に終えたことで、ひとまずちょっと一息と思っていたら、記録しておくのを忘れそうなので、急いで記しておきたいと思う。
土取利行という人のセンスとこだわりからすると、今回の事が一般に公開されるということ自体が大事件ということなのだったが、残念ながらクラウドファンディングの最高額30万円を払ってその場を共に分かち合うという貪欲な強者表現者は現れなかった。。。。
暗中模索しつつの稽古を闇雲に10年続けるよりも、10年かけて良い師を見つける方が得策だという話を聞いたことを思い出す。
個人的には、前者的傾向が強い人生ではあるが、土取さんとの出会いで、通常では見えないであろう音楽家としての景色や音像空間を体験させてもらっているので、なんとか即興演奏家として生きていられるのだとも思うのだ。
仮に、俺が土取さんの弟子でなくて即興演奏をしている人間であれば、30万払ってでもあの場にいるべきだったと断言できる!!!
そして、当日はまさに奇跡の神事を体験することになったのだった。
今回、このプロジェクトを実現するにあたって、表舞台に関わる人選は、かなり入念に行われ、初顔合わせになるメンバーだった。
(以下敬称略)撮影:長岡マイル [ 映画作家 ]、録音:庵谷文博 [ サウンド空間デザイナー ]、写真:小笹純弥 [ 写真家 ]。
映像作品は、正直なところ、素晴らしいものにしかならない!!!!と断言できる。
本番の夕暮れ前には、雲の中に正に龍神も出現していたので、かなり凄いことになるなあという予感だった。
そんな中で、表には出てこないメンバーが、かなり重要な存だった。良い作品の裏には確実に素晴らしいスタッフ陣が居るのである。
サヌカイトを設置する櫓の設置スタッフの要的役割をすることになり、これは信頼できる人間が必要だと思っていたところ、ちょうど連絡があったので、ダメもとで誘ってみたら、本当に来てくれた小林さん!!!
普段は、群馬から出ることが少ないというほどの人が、はるばる仕事を休んで香川県まで駆けつけてくれたのだ。普段から撤収なども手伝ってもらっているし、お兄さんの様な存在でもあるので、本当にありがたい。
群馬県人にとって、海とは未知の存在過ぎて、かなりウキウキしてくる。
設置の合間に浜辺を散策。
天然の砂浜なので、裸足で歩くとかなり心地良い。
50代と60代のおじさんたちの浜辺の散歩は、なかなか楽しくもあり、お互い貝や石を拾うのにも夢中だった。
どんな雰囲氣になるか、櫓を仮に組むのが、この日の仕事だった。
そして、日は暮れていく。。。
浜辺のサヌカイトは、押しては引く波の音と、暮れる夕陽と、満月が、テーマとなっている。
およそのイメージはできたので、翌日の本組みに向けて、ひとまず櫓は解体され、何もない砂浜へと戻っていった。
素敵過ぎる浜辺の夕暮れ時。ぽこんと見えるのは、讃岐うどんの出汁に欠かすことのできない、いりこ漁が盛んな伊吹島だ。
砂浜の植生が素晴らしく、浜辺に降り立つと何やら香ってくると思っていたら、かわいい白い花のハマボウフウ。
堤防から浜へ降りていくと、浜辺の植物の中を歩くことになる。その時、不思議なことに薄い霧の中にいるような錯覚に陥る。それは、匂いなのかなんなのかはちょっと聞きそびれてしまったが、浜辺に結界が張られている様な氣もしてしまった。
コマツヨイグサの小さい黄色が浜辺に点在しているのも、かなり良い感じだった。
この花たちも、サヌカイトの音を聴く事になるのである。