Dragontone /石坂亥士

神楽太鼓奏者・石坂亥士のブログ

銅鼓という音のタイムカプセル

先日の香川県での音楽合宿の時、イランの音楽家・アリアクバルさんの奏でるウードの響きを体験した事がもの凄く意味があったんだと、今にして思うのである。

きっとイランでは、古くから流れる音楽の源流の感覚が今も音楽家の中にあるのだとも感じられた。

一音の響きが底無しに深く豊かだった、あのウードの響きは今も強烈な体験として残っている。

そして、驚くことにその響きの余韻は未だ途切れることがなく、今もその静寂感漂う音に包まれている感覚なのだ。

不思議な感覚が続くもんだなあ、と思っていたところ、数日前に、なななんと!!!!

古の響きを記憶すると言われる、銅鼓との出逢いがあったのだ。

これは、もう自分にしか分からない興奮度マックス状態!!!!

ずっと氣になる存在であり、永遠の憧れの音だったのだ!!!

その銅鼓を貸していただくことができたのだ!!!!

それも研究物としてではなく、演奏してOK!!!というスペシャルな計らい。

 

実は、約1年前に、使ってみませんか!?と言われていたのだが、跳び上がるほど嬉しい事なのに、これだけ時間がかかったのは、おそらく自分が銅鼓の音を奏でるに値するまで連絡させてもらえなかったのではないかと・・・・・

そして、驚いたことに銅鼓を受け取りに行ったところ、仏像修復をされているMさんの工房には、なんとなんと空海さんの像が修復の真っ最中で鎮座されていたのだ!!!!

ここに来ても、空海さんとは・・・・・。

先日見せていただき、触らせていただいた空海さんが生まれた時に生湯をつかったと言われる石の桶はかなりの衝撃だった。

そして、隕石の様な重さの石に御自身で空海と彫られたと言い伝えられる、病封じの石の存在感はかなりのものだった。この石との出逢いで、一氣に空海さんとの距離が縮まった感覚があったが。。。

この銅鼓との対面にも空海さんが関わってくるとは、正直、自分としてはかなりの衝撃だった。

土取さんを介してここ数年は、四国へ行く機会が急激に増えて、空海さんのことが身近に感じられて来ていたとはいえ、自分事にも空海さんが関わってくるというのは、何かのメッセージなのかもしれない・・・・。

このタイミングで銅鼓がやって来たという事は、ここで使うことが決まっていたということではないだろうか!!!

6月24日開催の「夏越ノ大祓 2023」である。

この銅鼓は、麻江型銅鼓(マコウガタドウコ)というらしく、宋の時代から元の時代の物とのこと。Mさんのご親族が満洲から引き上げてくる時に一緒に持ち帰ってきたのだとか。それが、巡り巡って現在Mさんの所にやって来たらしいのだ。

そして、俺にコンタクトをとってくれたという奇跡的な嬉しい流れなのである。

少しだけ音を鳴らしてみた印象は、楽器の以前の音という感覚。

銅鼓を演奏している映像を見て、ある程度は音を想像していたのだが、実物の響きは別次元だった。

一音の響きは、アリアクバルさんのウードの響きにも共通するような感覚もあるが、響いていく深さが、現実的な音の余韻の深さというよりも音が減衰して消え入っていくその先にある見えない世界と繋がる様な「ゾクッ」とする感覚の音が響く。

楽器というくくりには収まらないが、日本で出土している銅鐸と並ぶ金属系楽器のボス的存在なことには違いないだろう。

今後、おそらく銅鼓自体に導かれて新たな音の探求が始まる予感である。

夏越ノ大祓でこの銅鼓を響かせることができるのも、今のこのタイミングにこの響きが復活する意味があるのかもしれない。

人の時間感覚を遥かに超える巨木の写真と、銅鼓という太古の響きが融合するという世界。

普段はあまり強く自分のライブは勧めていないが、今回は、少しでも氣になった方は足を運んでいただきたいと思っております。

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