Dragontone /石坂亥士

神楽太鼓奏者・石坂亥士のブログ

夏至から始まる異世界セッション

夏至の日は、絵師の香川大介くんと桐生川源流域に居た。お互いに乗ってる車もメーカーこそ違うが、それぞれトヨタニッサンのワゴンの代名詞とも言えるハイエースとキャラバン(ホーミー)という具合にどことなく共通する部分があるのも嬉しい。

そして、年式も平成7年と8年なので、メーカーが氣合いを入れて車造りをしていた時代のものだ。

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誰に見せるでもなく、それぞれの世界を共有してみよう!という試みを始めることにしたのである。

俺が音を響かせる中で、香川くんはキャンバスに絵を描いていく。お互いの存在を尊重しつつ、あまり氣にしないで二人である種の世界観を共有していくという即興セッションなのである。

お互いに、一人でやっている時では感じることのない感覚があり、かなり興味深いセッションなのである。

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最初ということで、桐生川を選んだ。当初予定していた場所は先客がいて、結果的に根本山への登山口に落ち着いたのだった。やはり完全に人家の無い自然の中でやるべき!というメッセージだったのだのだろう。

勿論、使うものは銅鼓!!!f:id:dragontone:20230622080856j:image

通常、土に埋められて保管され、春の儀式や葬儀の時に掘り出されて磨かれて使用されてきたという話なので、この銅鼓としては、こんな渓流の川の岩の上で音を響かせる状況は数百年の間で初めてだろう。
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実は、桐生川で授かった石笛があり、それを鳴らすのも今回の目的の一つでもあったのだ。

もう、儀式の匂いしかしない状況だが、見ているのは、うちの家族だけという不思議な状況も面白かった。

当初は、娘が小型のリコーダーを鳴らしまくっていたが、それはそれで清流が見事に包み込んでくれて、逆に良い感じでもあった。

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木々が生い茂った川面には、時たま木漏れ日が入って煌めきを見せてくれていた。

そんな中で、1時間以上ほぼ銅鼓のみの演奏だったのが、中央の太陽のマークの所に夏至の太陽の光が当たった時は、なんとも神々しく、象徴の太陽マークに夏至の太陽のエネルギーが注入された様にも感じられるかなり印象的な瞬間であもあった。

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香川くんは、先週の金曜日にラダックでの壁画制作を終えて帰国したばかりで、普段からそうかもしれないが、かなり浮世離れした感じもあり二人の絵面は不思議な静寂感があるのが嬉しい。
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香川くん曰く、「久しぶりに自分でも訳がわからないモノを描いてしまいました!!!」と。

俺にしても、あの重い銅鼓を1時間ほど抱えて叩いていたのだが、かなり不思議な時間だった。銅鼓に意思があって、テクニックを使う事を拒否している様にも感じられるのだ。シンプルに音を響かせていくと、自ずと銅鼓の求める響きとなっていく感覚を体感できたのは、この夏至の響き合わせでの最大の収穫だった!!!

通常のライブであれば、1時間も銅鼓のみを鳴らすことは無いだろうし、香川くんとの世界観の中でだからこそ、かなり貴重な感覚を体得することができた様に思うのである。

この感覚を温めつつ、明後日の「夏越ノ大祓」では銅鼓を響かせたいと思っている。

そして、今回は団扇を作ってみたのだ!!!

ある程度の枚数は作りましたが、枚数に限りがあるので、基本的には先着順にはなりますが、予約していただいた方の分は確保しておきます。

ライブ詳細は以下リンクにて!!!

dragontone.hatenablog.com