Dragontone /石坂亥士

神楽太鼓奏者・石坂亥士のブログ

大野朝行さんの言魂

ひとつのプロジェクトがもうすぐ完結する。それは、今年の2月25日にこの世を旅立たれた大野朝行さんの歌のアルバムの発表である。

生前から彼の歌を録音して、ひとつの形にすることに関わらせてもらっていたのだが、いきなりの予想すらできない去り際を体験させられ、関係者一同、狐につままれた状態でもあったのも事実だった。

そんな中、6月18日に大野朝行さんを忍んで「〜大野朝行の御魂とカム遊び〜」と題して彼を偲ぶ会が開催されることになり、そこでのアルバム発表に向けての制作が始まったのだ。

生前に、アルバム名は「アマココロ」というところまでは決まっていただけの中からだったので、これまでかなりの時間を共にした大野さんがこうしたいだろうなぁ!?というのを想像しながらの作業となった。

経緯は下記ライナーノーツに集約したので、長文ですがご興味持たれた方はご一読いただけたら幸いです。
 
ー 自由なる音の真理へー
2020年の春、大野朝行さんのうたのアルバムを作るプロジェクトが動き始めました。雅楽の横笛奏者の中村香奈子さんが、大野さんが荒野を一人歌いながら歩いて来ると、緑や花が復活する夢を見たのがきっかけとなり、縁あるメンバーに呼びかけ、春の宴の様に満開の桜の下で始まったのがとても印象的だったのを思い出します。
偶然にも、その録音を担当することになったのは、今では必然だったとしか思えません。
録音を繰り返していく中で、大野さんご自身でも持ち前の探究心が膨らんで、当初のコンセプトだった「口ずさみたい日本の愛唱歌とは少し路線が変わりました。
その後の録音は、中央構造線上の重要なポイントと富士山周辺へ、お弟子さんの荒川克美さんと3人で、一部屋に川の字で寝るという家族旅行的感覚で二度ほど出かけました。場所としては最高だったのですが、使えたのは1曲目のカタカムナ ウタ 第1首のみという結果に・・・。
そして、なんと録音地は、帰って来てから北本のさくら公園付近で、それも大野さんの愛車マツダデミオの車内での録音だったのです!
結果的には、何をしに行ったのか分からない状況ですが、それは、どんどん音の真理へ近づいて行く上での軌跡だったと感じます。
今の世の中で生きていると、年を重ねるごとに既成概念が刷り込まれて不自由になり、物事の真理や本質から、かけ離れていく傾向があるように感じます。
しかし、録音された音を聴くと、80歳を過ぎた大野さんは、逆にどんどん自由になっている印象でした。私自身が、かなりストイックに音の真理を追求している人間なので、音は嘘をつけないことをよく知っているつもりです。
大野さんの言魂は、シンプルを極め、聴く人の意思とは関係なく心まで到達する様です。
実際に、これまで歌を口ずさむことなど無かった私自身が、氣がつくと口ずさんでしまっているのです。これは、本当に驚くべき事件と言っても過言ではありません!!!
私は、カタカムナを学んでいませんが、大野さんが歌う前に発するカタカムナの言魂が、彼の身体や心を確実に素晴らしい状態に導いているのは間違いありません。
そして、魂合氣という身体の神秘の追求とカタカムナの研究と実践の効果が融合され、大野さんの言魂の世界が出現しているのだと思えます。
昨年の6月あたりからは、レコーダーを新調されて、それで良い録音が録れたら、そのデーターを渡してくれることになっていました。一度もデーターをいただけないままのお別れとなってしまい、遺品のレコーダー音源を確認したところ、11月と12月のものしか残っていませんでした。その中から良いものを選んでアルバムに使う方向で進めていました
録ったデーターを、メディアごと落としてしまったという話を聞いて、残念だったなぁと思っていたところ・・・・・。
春分の日に再度レコーダーのファイルをチェックしたところ、その落としてしまったデーターだと思われる膨大な数の曲が「ダーーーーッ」と出現したのです。
自分のチェックミスの可能性は否定できないまでも、かなり入念に隅々まで全てチェックしたはずなので、これには正直ビックリしました!!!
そして、その曲と向き合うことになったわけですが、その作業中「亥士さん、こんなに録ったんだよ〜、聴いてみてよぉ!!!」という声が聴こえてきました。
もう、こうなっては大野朝行病という流行り病にかかったも同然なので、その病にかかり切ることに決めたのです!!!
そしたらもう、見えない世界の大野さんに操られるが如く、アートワークはホームページの管理をされている岡本みどりさんに決まり、中村香奈子さんがずっと欲しかった超貴重な笛が、録音の前日に届いくという粋な計らいがあったり、タイトルは友人でもある書家の鳥井美知子さんが!とアルバムがより良いものなる働きが多々ありました。
この二ヶ月半というもの、音楽は大野さんの歌しか聴いていないと言っても過言ではありません。寝ても覚めても大野さんの歌が聴こえてくる日々に、アルバムの発表をもって、この流行り病状態は皆さんにお渡しし、できればですが私は一旦区切りをつけたいと思っております。
このアルバムでは、大野さんの発するカタカムナ ウタの言魂の持つ背後の世界観を自分なりに追求もしています。そして、歌のバックには、今まで録った大好きなフィールドレコーディングの音源も使わせてもらいました。今思えば、このために録音したのかもしれません。北本の鶯は、今年の桜が満開の時期の早朝、大野さんと最初に録音をした旧野外活動センターでの録音です。
羽衣のバックには、出雲の八百万の神々がやって来るという稲佐の浜潮騒の音です。偶然にもこの音を録った時がその神々がやって来るタイミングだった様で、何故こんなに神々しいのかと不思議でした。その音が、大野さんの最後に録った歌・羽衣と見事なまでに融合しています。
ラストの曲の砂山大宴舞は、群馬の山奥にあるHibiki Kannaさんのスタジオで合宿した時の記録です。砂山をベースに、菊地彩さんも歌に加わり、その場にあった楽器をみんなで持っての即興セッションでした。この時参加したメンバーでバックバンドの「コトホグミ」を結成して、アルバムの発表記念ライブをやろう!と盛り上がっていました。
歌っていない時、大野さんは扇を持って、楽しそうに笑いながら、緩やかに舞っていました。かなり印象的で、大野さんの周りだけ重力がない様にも見えて、圧巻の舞でもありました。そんな大野さんが扇を持って舞っている姿を思い出しつつ、音の直会の様な自由ではちゃめちゃなセッションで締めくくっています。
最後になりますが、音源使用を快諾していただいた、ご家族ご親族の皆さんをはじめ、サポートしていただいた皆さん、関わってくれた全ての皆さんに心より感謝いたします。そして、大野朝行さん、ありがとうございます!!!
 
サポートメンバー(順不同敬称略にて)

岡本みどり・荒川克美・香風舎・宇佐見 仁・中村香奈子・石坂今坐・天・水島洋子

草階文恵・ 山崎幸子・高見澤倫子・ 大川玉美・ふっちゃん♪・高原ふさ子・菅 和歌子

瀧口康道・内田善之・坂田龍彦・高橋利奈・生駒良二・川村重人・林禎造・清宮有加・高橋美紀・上領國資・佐々木浩章・日向野敦子

 

とにかく素敵な笑顔で、心地良い空氣を発する方だった。

大野さんの活動は、以下リンクにとても詳しく載っているので参考にしていただきたい。

ご挨拶 – カタカムナと生命の神業

録音旅行で行った、中央構造線付近の瀧での一コマ。

東のプレートと西のプレートが瀧の中心で交わるというある意味濃密な磁場の場所に大野さんのカタカムナの言魂が瀑音にかき消されながらも確実にその場に響いていたのがとても印象的だった。

録音的にはホワイトノイズの様に聴こえてしまい、使うのは難しかったが素敵な光景だった。

とにかく楽しい録音旅行だった部屋での一コマ。お弟子さんの荒川さんに、何やらレクチャーをしつつ、かなりのリラックスモードな一枚。

この時は、浜松方面まで行ったのだったが、北本へ戻ってから大野さんの愛車の中で、せっかくだから少しだけ録音しよう!!!

という話となり、日本列島の東と西のプレートのエネルギーが合わさる、重要なポイントのエネルギーを身体に充電した大野さんが地元北本で発した言魂「カタカムナ ウタ 第1首」がアルバムの1曲目となったのは、かなり意味があると勝手に思っている次第なのである。

 

この「アマココロ」というアルバムは、ある意味危険なアルバムであり、かなりの中毒性を有している。現在我が家では、リピート状態となっており5歳児は一緒に歌うし、1歳半の子は特定のカタカムナの言魂に反応して一緒に言葉にならない言葉で唱えるという・・・・。

 

いよいよ6月18日リリース予定!!!

思念思考が乗らない言魂は、基本的に俺の音とも共通しており、自分のライブの時にも販売していこうと思っております。

是非チェックしてみていただきたい!!!