淡路島を通って四国に入るのだが、淡路島は意外に広いことに驚かされる。そして、世界的にも、淡路島はかなり重要な場所だというのを何かの記事で読んだこともあるが、未だ、淡路のSAで休憩して、明石海峡大橋を眺める程度だ。
しかし、今回はそれを象徴するかの様に空が賑やかに見えていた。
このオブジェの様なものは、明石海峡大橋を吊っている実際のケーブルをぶつ切りにして断面に分かりやすくペイントしたものだ。一瞬アート作品かと思ったが、きっと構造と強度や機能の追求から生まれる、削ぎ落とされた美しさがあるのだろう。
ケーブルは、5.23mmの素線からなるもので、それを127本束ねたものをストランドと呼ぶらしく、その断面が六角形になっている様なのだ。
蜂の巣の様でもあり、色分けされたその様子がなんとも可愛らしく見えてくる。
淡路のSAには観覧車があり、そこに向かって何匹ものドラゴンが飛翔する様な雲が印象的だった。
そして、翌日は海岸寺、仏母院、熊手八幡宮での奉納演奏だった。当日知ったが、志々島伝承の歌の奉納ということで、志々島に住む安土早紀子ちゃんも一緒だった。
志々島の伝承の歌は、本当に素晴らしかった。静かな声なのだが、その静寂だが芯の部分はどっしりしている空氣が、知らずに会場に浸透していく。志々島で歌い継がれた歌が、彼女の身体を通してその場に現れていたと思え、素敵な刺激をもらったのだった。
一番びっくりしたのは、海岸寺での奉納の時に、殿さんが現れたのだ!!!!
多少のことでは驚かない方だが、これには正直度肝を抜かれた。
ちょうど前日から、メッセージのやり取りをしていて、その中で密教がインドネシアを経由したルートの話を教えてもらっていて、自分がバリ島との縁が深いことが、物凄く腑に落ちたのだ。
このタイミングで、香川県の空海さんの重要な場所に関わり、そして奉納演奏することは自分の意思には関係なく、まるで空海さんの手の平で転がされている様な感覚さえ覚えてしまったのだ。
主催の大鹿さんに了解を得て、殿さんも一緒に奉納をしていただくことになった。前日からの流れで、インドネシアへ向けて海を渡たる感覚さえ感じ、その後はもう宇宙空間に居る様な不思議な感覚で、とにかくたくさんの螺旋が放物線を描いて飛んでいく様でもあり、密教の宇宙観を体験したのか、凄まじい時空の旅となったのだった。
緩やかなイベントの裏では、奉納演奏と銘打って核心部へ響きを届けるという、かなり儀式的な様相を呈している素敵な企てに参加させていただき、心より感謝いたします。