Dragontone /石坂亥士

神楽太鼓奏者・石坂亥士のブログ

〜静寂から生まれる〜

深井信悟さんの動きと出会った時、身体の奥底に静寂感を感じた。その後、閃きに従って、「是非とも共演をお願いできないか!?」と連絡をしたところ、一氣に共演が現実化していったのだ。

これからも、一瞬の閃きを大切にしていきたい!!!と思える出来事だった。

この記事では、石原ミチさん撮影の写真で当日を振り返っていきたい。

※雰囲氣ある写真が多数だったので、コラージュにて。

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深井さんとの何回かのメッセージのやりとりから、公演名の「撃鼓響振」が決まり、副題として「 〜静寂から生まれる〜 」という一文が浮かび上がってきた。

その後、俺の妄想が加速して勢いに任せて、夏越ノ大祓でも共演をお願いしてしまったのだ。深井さんとの縁が、6月25日の「夏越ノ大祓2022  〜響鳴瀑〜 」へと繋がっていくことになったのだ。

俺が音の響きを確認している中で、深井さんは、身体を場所に馴染ませる様に動いていく。

「舞台と楽屋の出入りは、自由にしてもらっていいので!」

と伝えると、「動かない時は、正座でもしてますから!」

という返答が返ってきた。

この時、深井さんが常に会場に居るという事が決まった。。。。

近藤さんとのセッションの時に感じた濃密な空氣感が、会場に満ち始めた瞬間でもあった。

今回、どんな状況でも対応できるために、楽器は多めに持って行っていたが、使うものだけ舞台に配置したくなり、いくつも使わない楽器が楽屋に鎮座することになった。

深井さんは、まさに武術に生きる方で、それもかなりストイックな武術家という印象だ。

今回、この公演を企画したいと思ったのは、土取さんが松田隆智さんと「鼓武震撼」という公演をしていたのを知っていたからとも言える。

音を追求する者と武を追求する者が、同時にその場所に存在するというのは、想像を絶するほどの興味深さと面白さがある!!!

即興演奏というのは、相手の音を感じつつ聴ききつつも、絶対にそこに迎合しない。真の即興演奏家同士のセッションは、まさに武術の様でもある。

音楽にしても、武術にしても、実践で使えるか使えないかが、全てではないかと思えてならない。

そんな深井さんとの響演は、「何も決めないで自由にやりましょう!」と言って、俺が先に舞台へ出るだけ決めて、誰もどうなるか分からない世界の幕が開いたのだった。

「撃鼓響振」と命名したからなのか、冒頭シーンは、陶器で作った撃鼓から始まり、流れで神楽太鼓、そして韓国のプクへ!!!

こんな短時間で、三つの太鼓を鳴り響かせるという、自分としてはあり得ない流れも、太鼓の三つ巴的に必然であったのかもしれない。

プクの音圧は、相当な密度で会場を満たしていったはずで、韓国ではプクは、雲が湧いてくる音を現すとされている。古くは、儀式で使われていたとされる、チュルチェのリズムが自然と出てきて、そのリズムの速度が上がっていき、かなり厚い雲が湧いてきたはずである。

プクの音が切れた瞬間、手を床につき挨拶を済ませた深井さんが動き始めた。

このプクの音が創り出した雲の上に、深井さんが登場してきた感じにも見え、絶妙な間合いで入ってきたのだ。

これは一方的な俺からの見解だが、その後、彼はエネルギーを蓄えるが如く、定位置から動かずに微速とでも言ったらいいと思える速度で、蠢いている。

しかし、それが素晴らしく、俺自身も自分の音の世界へ没頭していくことができた。

その場から、動かない・動かない・動かない!!!

そして、この手の写真はよくぞ撮った!!!と叫びたくなるほどに、深井さんの手から通常は目に見えない氣のエネルギーが放出されている様にも見えるのが嬉しい!!!

俺は、演奏家としてはかなり貪欲なので、絶対に我慢はしないで、身体の要求には従うという仕組みになっている。

この時、楽屋に置いてきた、スリランカの太鼓「ゲタベラ」がどうしても叩きたくなってしまったのだ。。。

迷わずに、取りに行くことにして、土鈴やガラガラを鳴らしながら、楽屋方面へ進んで行くことにしたわけだ。

上手いこと、深井さんの背後の位置取りになったので、少し楽しませてもらった。

やっぱり、ゲタベラ取りに行ってきて良かったぁぁぁあ!!!!という展開となった。

舞や踊りとの違いは、必要なことしかしていないという事だ。

土取さんと松田さんの「鼓武震撼」では、1時間に及ぶ土取さんのソロドラミングの後に、「この時!!!」とばかりに松田さんが登場し、最大最強の武術的爆発を1分ほどに凝縮してやり切り、かなりの自信を持って舞台を去って行くという伝説を残したわけで。。。

深井さんが、1時間近く定位置で氣を練るような功法の動きを続けていたのは、確実に最終章に必要な作業であったのを知る事になったのだった。

自然と終わりはやってくる。

俺は神楽太鼓に移動した。

音の鳴りを調整をしつつ、神楽太鼓と自分の何かを繋ぐ様な作業がある。

もうこの時、深井さんの存在はおそらく自分と一体となっている様な不思議な感覚もあり、彼を意識することなく神楽の音に集中していく。

「かなり濃密な音像が出現しているぞ!」と目を開くと、深井さんが目の前で剣を持って動いていた!!!

この感覚は、宮崎県の銀鏡神楽という夜神楽で感じたものに近かった。

夜を徹して舞われる神楽では、一瞬目を閉じたかと思ったら、相当な時間眠ってしまっていて、次に目を開けたら、別の次元が展開しているのだ。

神楽の音とは、同じ様に感じられるかもしれないが、かなりの反復を繰り返していく。それは、螺旋を描きつつ、少しずつ時空や次元が上昇して行くのだ。

そんな夜神楽の世界を垣間見てしまった「撃鼓響振」、かなり楽しい時間だった。

後から、記録映像を確認して驚いた!!!

俺が神楽太鼓のモードが本格始動した瞬間に、深井さんは剣を抜いて絶妙なタイミングで登場していたのだ!!!

そして、無条件に楽しい時間だったなあ。

挨拶に出ていったら、アンコールと間違われて、少しやるはめになったが、結果的に、奥三河花祭りで、人には見せないで行われている、納めの舞の様でもあり、やり方や表現は違うが結果的に神楽の世界観がそこに出現していた。

ご来場いただいた皆さんをはじめ、配信でご一緒していただいた皆さん、スタッフ関係者のみ皆さんに心より感謝いたします。

武も音も実践で使えなければ意味は無い。それは、必要なこと意外しないというシンプルなことなのだと思う。

「撃鼓響振」は一旦幕を閉じ、6月25日の「夏越ノ大祓2022」へと発展して行く。

夏越ノ大祓のテーマは、共鳴瀑だ!!!

深井さんと共に、瀧の響鳴に心身を寄せたいと思う。

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