薬師寺では、毎年「玄奘三蔵会」という三蔵法師がお経を伝えたというストーリーを、伎楽をベースにした音楽と仮面劇で行っているらしい。
伎楽は、中世の頃雅楽などと共に日本に伝わって、雅楽は、宮中で守られつつ今日にまで続いてきているわけだが、伎楽はそのまま野に放たれた感じに、おそらく伎楽のマスター達も含めた芸能のエキスが日本中に散っていったのではないだろうか。
この大きなお面の系譜は、きっと三河の花祭りなどの天竜川流域の芸能にも大きな影響を与えているのではないかと想像できる。
そんな中世芸能を復元した伎楽の中に、現代に生きる芸能者として、KNOBさんと共に参加してきたのである。
練り上げられた伎楽劇の世界に、ディジュリドゥと神楽太鼓の演奏家が出現する。この取り合わせは、おそらく世界でもKNOBさんと俺のコンビだけだと言えるだろう。まさしくこれは、中世当時に伎楽が渡来してきた時の様な異質ではあるが興味深い感覚なのかもしれない。
衣装もまたもの凄いスパイスとなっていて、その道の玄人が興味津々で見入っていた。うさぶろうさんのデザインした新しい日本的なエキスの集約したもので、これもまた新しい風となっていた感じがする。
前日のリハーサルの日には、早朝4時半過ぎに室生龍穴神社にお参りして、龍穴でしばしの奉納演奏をしてきた。
そして、なんと驚くことに、その後にKNOBさんが室生龍穴神社で奉納演奏してきたというニアミス。。。。
そんな二人の音が合わないはずもなく、絶妙なバランスで響き渡っていた。
生演奏なので、神楽太鼓の音量のコントロールがとても大切になる会場だったので、リハーサルで音の響きを確認できたので、本番は、なかなかに良いバランスで魂宮時君の舞を二人でサポートできたのでした。
歓迎を受けた三蔵法師が、御礼に自分の舞で返礼するという場面で3人での即興セッション。5分程度なので、様々な要素がギュッと詰め込まれた内容となり、良いシーンだったのではないかなあ、と。
何故か、聖なる火を三蔵法師からいただいて、俺たちもその火を皆さんにわける役目もプラスされていたのだった・・・。
闇に浮かぶ蝋燭の明かりは、美しかったなあ。
写真は、肥田晴奈さん撮影(最初と最後以外)。