Dragontone /石坂亥士

神楽太鼓奏者・石坂亥士のブログ

星空のコンチェルティーノ 「お琴」

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今年は、冬の時期をしっかりと自重しながら過ごしたせいなのか、立春を過ぎて一気に活動が加速していっている感じであります。

 

劇中での音楽という、自分の活動の中でも、だいぶ特殊なケースである、今回の舞台。

星空のコンチェルティーノ「お琴」、という音楽劇は、東日本大震災の起こった年のお盆に、復興祈念公演として仙台で上演された。

あの年のお盆に、とてつもない被害があった宮城県で、この作品が上演されたというのは、とても意味のあることだと今でも思っている。

公演を打つということにおいては、当時の仙台でお盆の時期という苦境以外の何ものでもない状況の中、1000人規模のホールに、集まってくれた方々は300人弱程度だったと記憶している。

しかし、舞台に立ってみると、空席がある様には感じることが出来ず、満員の方々の視線というか熱量を感じたのが、未だに鳥肌の立つ思いである。東日本大震災後の新盆というタイミングでの公演。。。

作品的にも、太平洋戦時下の生死を題材にしていて、あの世とこの世の間の世界観も含めて描いているだけに、亡くなった方々の御霊が帰ってきていた様に思われてならないのである。

その後、2015年には、大震災当時に台湾のみなさんが本当に多くの義援金を集めて日本へ送ってくれた事への感謝の気持ちと、大震災で亡くなられた方々、被災された方々、様々な方々へのそれぞれの思いを抱きつつ、台湾で返礼公演として、この星空のコンチェルティーノ「お琴」の公演が開催されるはこびとなった。

2016年の3月12日には、再び仙台での上演があり、忘れてはいけないものを、作品に込めつつ、何度も上演されている作品なのであります。

そして、今年の3月11日、12日は、都内の日本橋公会堂での開催なのだ。

楽家は、台湾のピアニスト、林品安(リン・ピンアン)と、神楽太鼓の俺という異色な取り合わせとなっている。

大日琳太郎さんの詩に、長谷部匡俊さんの作曲したメロディーが、なんとも切なくもあり未来への希望も感じさせている。

そして、とにかくピンアンのピアノの音は素晴らしくて、劇中に絶妙な彩りを与えてくれるのだ。

タッチが繊細で、彼の優しくて誠実な人柄が音に現れている様でもあり、とても美しい音色を奏でるピアニストなのである。

俺は、神楽太鼓も使うが、その他の効果音的な音を多様することになる予定。

 

---以下は、以前の公演の時のセットの写真---

結構いろいろ持ち込んでいて、自分で見てもビックリ!!!だが、まあこの時はこれらの楽器を使いたかったんだろうなあ・・・と。

今回は、再考して少数精鋭的楽器編成で挑むことになるだろうなぁ・・・。

個人的にも、あまり無い劇中音楽の機会なので、タイミング合う方は、是非お越しいただけたら幸いです。

これらの大日琳太郎さんの作品で、音楽をやらせていただけたことがベースとなり、2012年には「A Fool’s Life」の劇中音楽で、ド ラ・アワードインディペンデント部門最優秀サウンド・デザイン賞を受賞するという幸運も得る事ができ、全ての事柄が繋がっているんだなあと思えます。

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[ あらすじ ]

...昭和20年7月10日仙台空襲の晩、竪琴が炎に包まれる 。竪琴の持ち主三沢光夫は作曲家を志す青年であった。第 二師団の兵士としてガタルカナル島やビルマなどを転戦。 翌21年8月、奇跡的に復員するが、大切なものすべてを 失ったショックから曲が書けなくなり、音楽の夢をあきら めようとしていた。

そんな折、焼け跡の井戸の底から妙音が聞こえ、次々と不 思議な人々が現れ出て、光男は美しい時代絵巻の中に誘い 込まれる。それが星の一座の演ずる歌舞劇とは知らず、光 男は主役の女優「お琴」を連れて一座から飛び出してしま う。しかし、「お琴」の正体はヴェガと呼ばれる竪琴の精 であり、ある女性の肉体を一夜限りに借りて人間に変成し た姿であった。

この“ある女性”は長年実兄を探しつつも出会えずに死ん だ薄幸な女性で、兄妹の証として星愛の鈴の片方を肌身離 さず持っていた。そしてもう片方の鈴が、なんと!光夫の ポケットに入っていたのである。この女性は果たして光夫 の妹だったのか……。
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ふるさとの物語制作委員会
✨ふるさとの春まつり✨
【第一部】音楽劇『星空のコンチェルティーノ お琴』
【第二部】日台交流コンサート「鎮魂・平和・感恩」~台湾の音楽天使リン・ピンアンを迎えて~

出演
大田翔 / 愛もも胡 / 林品安 / 角岳史 / 石坂亥士 / 小仁所伴紀 / 前田侑太郎 / 大日琳太郎 / 佐藤香菜 / 依田眞虹 / 伊藤いずみ / 丸山奈津美 / 生出悦子 / 宮田佳美 / 沖山周子 / 伊郷真里子 / 大森幹子 / 高橋優香 / 功刀梓 / 高城愛未 / 西田杏奈

スタッフ
照明 : 松崎太郎 / 音響: 濱田一郎 / 作・演出: 大日琳太郎 / 作曲 : 長谷部匡俊 / 編曲 : 中原達彦 / ヘアメイク : 辻朋子

♪公演日
2019年
3月11日(月) 19:00開演
3月12日(火) 13:30開演

※開場は、開演の60分前です。 
※上演時間 約2時間15分

♪チケット
前売:全自由席 4,000円
当日:全自由席 4,500円
(税込)

♪会場
日本橋公会堂

【第一部】星空のコンチェルティーノ お琴
お琴というのは主役の女性の名前である。女声の声楽アンサンブルとピアノ、神楽太鼓を伴い、バレエも加わる多分野総合の舞台芸術である。
ガダルカナル島に自分の夢を置き去りにした兵士が、灰の街と化した長崎で、星の愛に包まれ夢を取り戻す、敗者再生の物語。

【第二部】日台交流コンサート「鎮魂・平和・感恩」~台湾の音楽天使リン・ピンアンを迎えて~
東日本大震災時に世界最大級の支援を頂いた台湾に感謝を表するコンサート。

お申し込みはコチラ
https://s.confetti-web.com/detail.php?tid=50371