Shingetsu-Kagura Project vol.11 2024.0804.
7月の末に以前から知り合っていて、お互いに何かやりたいねぇ。と話をして いた友人の住む長野県佐久市の望月という場所へ行ってきました。物事には タイミングというものがあって、その流れを大切にしていると、自然と良い 出会いと結果がついてくるのを感じたセッションとなりました。
セッションの相手は、望月の森に拠点を構えるアーティスト・駒場拓也さ ん。電子ピアノでの演奏しか聴いたことがなかったのですが、自分との相性 はかなり良いのではないか!?と確信していたのでしたが、ここ2年ほど出会 いのタイミングを温めていた感じで、なかなかセッションのタイミングが実 現しませんでした。 しかし、お互いに、今回のこのタイミングがベストだった様で、とても濃密 かつ可能性を感じる音合わせをする事ができたのです!!!
望月という場所は標高1000メートルに位置しており、この酷暑に置いても涼 しさを感じることのできる場所で、牛舎の2階部分を改装したアトリエには、 古いアップライトが2台配置してあり、それぞれに特色ある暖かい音の響く ピアノでした。 当初は2階部分には、牛の餌になる干し草が置いてあって、その古くなった 干し草を運び出すのが一仕事だったとか。。。
「氣が合う!」とはこういう事なんだと思え、「じゃぁ、やりますか。」とお互いに頷き合ってこのセッションは始まっていきました。
どんな音が生まれるのか分からないのは、とても興味深く、嬉しく、楽しい状況。
牛舎の2階から聴こえる、蝉の声や時々吹いて来る清々しい風が、身体リズムや感覚をゆったりさせてくれた様で、自分の音がかなり静寂感を持ってその場に溶け込んでいった感覚があったのも事実でした。
結果的に、これぞアンビエントという感じのセッションになったと思えます。自分がガンガン前に出ることなくしても、その場に生まれる音が最大限生きる、引き算の様な音創りという素敵な感覚を味わうことができました。
駒場拓也さんの音は、この望月という土地から生まれる音の様で、芯にはしっかりとした何かが宿りつつも、かなりゆったりした時間が流れているのを感じます。今回の駒場拓也さんとのセッションで生まれた「望月の音」は、この酷暑の中で聴くと体感温度を下げてくれる氣がしています。
暑中お見舞いも兼ねつつ、Shingetsu-Kagura Project vol.11 は、7月31日に望月の駒場拓也さんのアトリエで行われたセッションを選ばせていただきました。
Mochizuki soundscape / Gaishi Ishizaka × Takuya Komaba