今回のゲストの中津川信とは、高校時代からの仲間だ。高校卒業後に、ディース・カワラという舞踏家と出会ったことで、かなり濃密な芸能の道へとお互いに没入していったのだった。
俺の方は、その時に聞いたミルフォード・グレイヴスの話が、心に矢が刺さったが如く強烈で、その後土取さんに師事し、ミルフォードのワークショップも参加することもでき、そしてなんと、土取さんとミルフォードの日本での最後のセッション「宇宙律動」ではバックステージスタッフまでやれるという夢のような人生となっているのだ。
信の方は、かわせみ座という人形劇団の門を叩き、それぞれの下積み時代が始まっていった。
そのかわせみ座の主宰が、なんと来月ご一緒する孤高のマリオネットアーティスト・山本由也さんだったのだ。
縁はどこかで繋がっているのがとても面白い今日この頃である。
よく考えてみれば、信とDUOでやるのは初めてだったことが判明して、お互いにちょっとびっくりだった。
ちょうど、この人形の「日和田くん」が誕生したタイミングと同じくして、神楽太鼓を手に入れたというのも面白いもんである。
俺も信も20代になったばかりの頃、埼玉県の日高にある日和田山で、舞踏家のディース・カワラさん(現在は「香春」と改名)を中心に、若い連中が集まって、12月30日の夜、日和田山の山頂から踊りながら、音も鳴らして、里にある高麗神社へ練り歩くという芸能の原初の様なことをしていた。
今考えても、かなりめちゃくちゃな事だが、この一連の流れに関われた事が、後の活動に大きく影響しているのも事実なのである。
俺は神楽太鼓を担いで、信は、「日和田くん」を操り、通りすがりの家々に門打ちをして行くのだ。勿論、歓迎されないこと多々だったが、数年すると恒例行事の様な雰囲氣も漂い始め、歓迎ムードが広がっていったのは、とても興味深い体験でもあった。
そして、俺の神楽太鼓を買いに行った時も二人で一緒に行ったという、かなり縁の深い関係でもあるのだ。
そんな二人にして、初めてのDUOという驚愕の事実に二人して驚きを隠すことができなかった。
というような話をしているオフショットを、スタッフのあやちゃんに撮られていた。。。
人形使いというのは、人形を操る目線が基本的にあるので、イメージもろもろ表現者として、自分にも他者に対しても達観しているのを強く感じた。
お互いに、駆け抜けてきた30年という空白の時間は、微塵の違和感も感じることもなく流れて行った。
今は、ほとんど舞台には立つ事が少ない信だが、舞台への入り方から何から何まで、いつも舞台に立っている人間よりも素敵な存在感と清々しさがあったのは、本当に嬉しかった。
当初は、信の出番は舞台中盤だった。シーンとしてもかなり集中して面白くもあったが、コンパクトにまとまっていた印象だった。
そしたら、神楽太鼓のソロの終盤で人形の登場する甲高い笛の音が響いてきた!!!???
「そうか、きたか!!!」
と思ったら、「日和田くん」のカタカタ音が近づいてくるではないか!!!
さっきの出番とは打って変わって、人形が発する音とのセッションがクライマックスのシーンとなったのだった。
即興の感覚は、人それぞれではあるが、ガツンっとハマる即興の感覚は最高だと思う。
おそらく、普通は、あのタイミングで出てくることはまずできない。そこを躊躇することなく出てきた人形に拍手を送りたい!!!!
映像で見る限り、打ち合わせしていたかの如き絶妙なタイミングで出てきていた。
糸操りという妙技。。。。
操られていたのは、人形なのか、俺なのか・・・・。
芸能的見地からすれば、魂を持った人形(日和田くん)によって、
全てが操られていた可能性すらあるだろう。
俺の勝手な見解としては、日和田くんが、「そろそろ人前で蠢いてみようかな!」と思い立って、俺たちが動かされたのでは!?とも思えてしまう。。。
もしかしたら、その大きな要因は、信の息子のハルが今回も関わってくれて、なんと配信の映像撮影を担当してくれているという変則親子共演が実現しているという嬉しい事実があったのである。
舞台下手からの映像を彼が担当していて、高校生ながら、かなりアーティスティックなアングルが何度もあり、関わってもらえて本当に嬉しい限りだった。
うまいこと日和田くんに使われちゃった!?関係者一同で集合写真。
どうも、ありがとうございました!!!
こちら、当日の様子を2分ほどのダイジェスト映像で紹介してあります!!!
そして、今回はかなり見応えあるのでアーカイブ映像も販売してます!!!
4月20日まで何度でも見ることができるので、おすすめです。
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